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姑蘇藍氏の服に身を包み、仮に渡された剣をさす。
包帯を巻き、私だとわからぬようにする。
朝早くから、事件について調査に出た。
魏無羨「どうして、男性の姿に？」
隣をのんびりと歩く、男に目をやる。
彼は何も聞かされていないのだろう。
「…みながあの姿を好むから。」
魏無羨「そうか？
その美しさだったら、元の姿でも皆が振り向く。」
「女では、あの家で生き残ることはできない。
父親が優秀だったらしい、私はその人によく似ている。
口を揃えて彼を知る者たちはそう云う。」
颯爽と歩き、無駄話をするこの男を置いていく
すると小走りで隣までやって来た。
距離感の近い男だ。
「…父親など興味はないが、
使えるものはなんだって使う。」
それが例え、姿を偽ることになっても良かった。
魏無羨「復讐のためなら、己を捨てられるって？
その先に何がある？」
その言葉に振り返った。
「何か…など望んでいない。
壊したいから壊すんだ。他になにかある？」
傲慢で、利己的。
その姿に言葉を失う。
「…そもそも、お前は何者なんだ？
名も馳せていない、それなのに妙に詳しい。
邪道を許さないのが姑蘇藍氏ではなかったのか？」
頭の切れる物言いは、的中した。
魏無羨と知らなくても、その言動から判断したのだ
忘機「…邪道であっても、
この者は正義のために使った。」
寡黙な彼が沈黙を破ったことで、納まった。
「正義ね…、そんな曖昧なものに身を委ねるだなんてどうかしてる。」
魏無羨「とんだ捻くれ者だな…
もっと笑えばいいのに、含光君みたいになるぞ」
「…」
曦臣「落ち着いてください。」
「…まあいい、この男が誰でも関係ない。」
曦臣の仲裁もあり、すぐに水に流した。
気性が荒い正確かと思っていたが、そうではないらしい。
周りを見て、良く考えている。
それで一人で朱家で生きてきたというのもわかる。
魏無羨「で、ここがその襲われた場所か…」
曦臣「ここは広い、二手に分かれて探ろう」
例の谷底に降り、手がかりを探し始めた。
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
