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魏無羨「で、今日は何の任務なんだ？
というか何を探ってるんだ？」
夜狩りに赴く忘機に付いていく。
怨霊を見つけては琴で怨霊に何かを聞いている。
忘機「…朱家を知っているか？」
静かに問いかけた彼の横の岩に腰を下ろす。
魏無羨「聞いたことないな、有名な家門じゃないだろ？」
忘機「昔は栄えていたが今ではその面影はない。」
魏無羨「それがどうしたんだよ。」
忘機「怨霊を操る力を持っているかもしれない。」
魏無羨「鬼道を収めたってことか？」
邪道を進むなど、正気ではない。
俺が世間にどんな悪名高き者か知られている、今その力を使うということは…
魏無羨「力を得るために、その手を使ったなら相当危険な相手だぞ。」
邪気をうまくこなせば、天下を取れるとでも思ったのだろうか。
どちらにせよ、その力を止めなければならない。
忘機「邪道かは、わからない。」
魏無羨「どう操られたんだ？」
忘機「その怨霊は、他の者に目もくれず特定の人間だけを襲った。
三度もだ。偶然だとは考えられない。」
顎に手を当て、頭を回した。
魏無羨「特定の相手…邪気を集めたのか？
というより、特定の相手っていうのは誰なんだ？」
その問いに忘機は黙り込んだ。
忘機「…朱家の若様、朱Aだ。」
魏無羨「どうして自分の家門の若様に…
権力争いか？」
頭の切れる魏無羨に忘機は頷いた。
魏無羨「なら、こうやって怨霊に聞くより本人にあって、邪気を集めるように仕向けられたのか確かめたほうが早い。」
忘機「…」
魏無羨「？なんだよ、だんまりかよ。
その朱の若様も困ってるんだろ？
助けるんだからいいだろ。」
忘機「助けなど、…本人は望んでいない。」
魏無羨「どういうことだよ、」
わけがわからない、
忘機「朱家への因縁がある故に、復讐を望む彼を
止めるために、兄上が朱家について探っている。」
魏無羨「復讐を、望んでいるのか…」
＿あのときの自分を思い出す。
今でもその道を辿ろうとするものがいるのか。
忘機「兄上は、朱の若様がこれ以上苦しまないように解決を望んでいる。」
魏無羨「…ああ、復讐なんてしないほうがいい。」
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
