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羅漢「申しわけありません。」
いくら、皆が騒然としていたからと言ってこれだけ動き回ったのは痛手である。
息を切らして、探し周り
その手を煩わせてしまった。
「…、私の判断が誤ったせいだ。
まさかこの家に双子がいたなんてな。」
嘘で塗り固められ、作られたこの家だからこそ起きたことだった。
その事実に彼女は、皮肉めいた笑いをした。
「、はは、アイツラの言うとおりだ。
この家はもう落ちるところまで、落ちていて朽ちる一方だ。
いくら繕おうが、ここの欲深い人間の本性は変わらないものだな。」
羅漢「…」
「あの座を奪うのは、この私だ。」
羅漢「死ぬその時まで、お力添えいたします。」
その復讐心に駆られた瞳に従う他なかった。
その道は険しく、この腐敗した家が容易く彼女を導くことはなかった。
「なに、怨霊だと？」
羅漢「突然、暴れだしたそうです。」
先代が死去した、その夜中に事は起きた。
怨念の強い怨霊が出没したのだ、しかもあの双子はその怨霊にやられた。
離れで倒れていた二人は、静かに眠っているようでとても安らかな表情を浮かべていた。
羅漢「…彼らが起こしたのでしょうか？」
「さぁ、最後まで嫌がらせをしたかったのか…
死んだもののことなど一生わかることはない。」
憎まれ口さえ出ることはなかった、
彼らにはこの結果が正しかったのかもしれない、
自らの望むものを叶えたのだから。
＿それ以上、望むことはない。
「私は、怨霊を祓ってくる。
お前はここにいろ、付いてくるな。」
父の剣を持ち、羽織をかける。
羅漢「、それはあまりにも危険です。
先代が亡くなり、あの二人も亡くなった。
今度命を狙われるのは、＿」
「私か？、」
暗闇の中、振り返ったその姿は憤りに満ちていた。
「覚悟が、必要だと言ったのは誰だ？
＿私は母が殺さた、
あの光景を一度たりとも忘れたことはないっ。」
あの、赤く染まった光景を何度も何度も思い出した
そのたびに憎しみを、憤りを感じた。
「目的を見誤るな足手まといは、付いてくるな。
私が…すべてを終わらせる。」
振り返ることはなかった、
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
