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長い長い廊下の先に、鉄格子のような扉が有る。
使用人は儀式の準備で忙しなく、自らがしかえる主を呼びに行く。
男「丁度、庭の木が咲き頃みたいだ。
でも、お母様は参加しないらしい。」
主の声がする、だが誰と話しているのだろうか？
使用人「…朱明高様」
恐る恐る、声をかける。
__部屋の中には瓜二つの男がいた。
その二人に驚き、使用人は飛んで逃げていく。
男「くっくっく、逃げていったぜ」
明高「笑うなよ明孔、バレるとまずい。」
瓜二つの顔を見合わせて仲良く笑う。
服を着せながら、明高は違和感に気づいた。
明高「あれ、また背が伸びた？」
明孔「…あぁ、伸びたかもな。」
明高「やめてくれ、これ以上伸びないで」
明孔「無茶言うなよ」
明高を横目に明孔は呆れる。
明高「入れ替わることが出来なくなったら、
誰が俺の代わりに試験を受けるんだよ？」
明孔「自分で受けろよ…」
ぐいっと明高が頬を掴んだ。
もう一人の自分が顔を覗き込んでいる。
明高「駄目だ。
___お前は俺なんだから。」
鏡に映る自分たちは、歪な愛で成り立っている。
明高「俺、お前とならなんにも怖くないよ。
俺たちはずっと一緒だ、明孔。」
抱きしめられた感覚に、感情は働かなかった。
明孔「あぁ、…そうだな兄さん。」
明高「…Aお兄様を殺すこと楽しみだな。」
ニコリと笑う哀れな兄さん、
こんな家で育たなければ…狂うこともなかった。
可哀想だと、同じように笑ってやる。
___嗚呼、哀れで醜いのは俺もか…
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追加設定
朱明高(シュ・メイコウ)
朱家の若様の一人、明孔の双子の兄。
Aの従兄弟にあたる。
朱明孔(シュ・メイコウ)
明高の双子の弟、頭がよく切れる。
Aの従兄弟にあたるが、隠されて育てられた
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
