第九十八話 [僕は――――――――] ページ17
――――覚決め終了から、十五分経過――
[僕、ですか。東野さんの返答で満足していただけないと?]
ナナシは先程と変わらず笑みを浮かべている。
相変わらずの敵意と狂気を入り混ぜて。
「そういう事ではございませんよ。ただ―――違ったら申し訳ないのだけれど、
貴方のほうが、零と昔から一緒にいらっしゃるでしょう?
貴方を始めて見たのはあの子が六歳のころですもの。」
流石は頭首というべきか、秋は気にも留めず笑いかける。
ナナシは少し悩む素振りを見せながら、何かに気づき口を開く。
[判りました。僕の答えを言いましょう。
ですが、答える前に、貴方の成り代わりについてご説明いただきたいのですが。]
そのナナシの言葉に、東野も気づいたようだった。
ナナシは秋への嫌悪感から、東野はナナシの様子に気を取られて、
二人ともすっかり忘れていたことだった。
「あら。忘れていらっしゃると思っていたけれど、どうやら間違っていたみたいね。
ええ、ええ。判りました。確かにあなた方ばかりに答えていただくのは失礼ね。」
秋は多少驚いたようだった。
しかし、すぐに話し始める。
「まず、零からはどこまで聞いていらっしゃるのかしら。」
[奥様が成り代わっていた、という事しか聞かされていませんね。
そのことを聞いたのも覚決めが始まるすぐ前でしたから。詳しく聞けませんでしたし。]
「あら、そうなんですか!あの子の事だからてっきりほとんど話して言うとばかり。
ほら、あの子大切なことを割とすぐに話してしまうから。」
秋は面白そうに笑っている。
「確かに…………………。」
東野はその言葉に共感した。
今、東野の脳裏には、出会って間もないころに自分がポートマフィアだということを
ばらしたことや、連絡先をいとも簡単に渡したことが浮かんでいる。
ナナシも思い当たる節があるのか、苦い顔をしている。
「じゃあ、どこから話しましょうか。まずは、私がこんなことをしている理由ですかね。
実は、――――――――-」
長くなるので略。特に重要ではない。
「と、これが全てですね、ホント面白い話でしょう?」
秋は子供のようにけたけたと笑っている。
東野はその様子に顔に手を当てため息をついた。
「さて、これで私のお話はお終い。次はあなたの番ですよ。柊さん。」
[そうですね…………僕は―――――――]
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三斗(トリップ願望者) - ええええええ!何でこんな此れから良い所☆みたいなとこで更新停止しそうになるかなああああああああああ‼‼‼作者さん!Please come buck‼‼‼‼‼ (2022年7月27日 14時) (レス) @page28 id: 50d700a5ed (このIDを非表示/違反報告)
吸血蝶(プロフ) - みゃうさん» ありがとうございます!諸事情により更新出来ていなかったのですが、これからは更新していきますのでよろしくお願いします!英語はもう諦めてまして……見逃してくださると幸いです。 (2019年7月27日 13時) (レス) id: 93dc29917b (このIDを非表示/違反報告)
みゃう - 吸血蝶さん、タイトルが気になって読んでみるとすごく面白かったです。・・・英語の勉強をしましょう? (2018年12月26日 13時) (レス) id: fa587dfb5c (このIDを非表示/違反報告)
吸血蝶(プロフ) - やみねこさん» ありがとうございます!!!最近は時間ができてきたので、多く更新できるよう頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2018年8月8日 13時) (レス) id: a5cd03074c (このIDを非表示/違反報告)
やみねこ - 百話おめでとうございます! (2018年8月7日 13時) (レス) id: 008d70804a (このIDを非表示/違反報告)
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