アクアリウム ページ1
Arサイド
｢大ちゃん、この後空いてる？｣
大学の講義が終わって帰ろうとしていた所、そう話しかけてきたのは幼なじみ…と言っていいのかわからないけどちっちゃい頃からお世話になってる宏ちゃん
そして、俺が密かに思いを寄せている人でもある
｢え、宏ちゃん？！｣
｢なんだよそんな驚いて｣
｢だって、今日サッカー…｣
｢休みになった｣
宏ちゃんはこの大学にサッカー推薦で入るくらいレベルが高い選手だ
プロのサッカー選手になるんじゃないかって、噂されてる
｢で、どうなの？今日空いてんの？｣
｢空いてるっちゃ空いてるけど…｣
｢おし、決まり｣
｢えぇっ？！ちょっ、どこ行くの？｣
秘密！って叫びながら俺の手を引っ張ってズンズン歩いていく宏ちゃんに抗う気にもなれず、どうにでもなれと思ってついて行くことにした
心臓バクバクしてるけど…
大学から歩いて少しのとこにある駅に着いたと思ったら家とは真逆の路線の電車に乗せられて俺は混乱
宏ちゃんに何回目的地を聞いても教えてくれないし…
｢大丈夫だって。今日中には家帰れっから。それに大ちゃん家おばさんもおじさんも居ねえだろ？｣
｢それはそうだけどさぁ…｣
父ちゃんも母ちゃんもお互い出張が重なってしまいそれぞれ北海道とアメリカに居る
｢なんなら家泊まれよ｣
｢そんないきなり悪いよ｣
｢今更だろ。昔はよくあったじゃんか｣
｢それはそうだけどさぁ…｣
｢はい決定。あ、着いたから降りよ｣
｢…はーい｣
着いた駅で降りて少し歩いていくと、やっと俺も目的地がわかった
｢もしかして、あそこ？｣
｢そうだよ。昔1回来たきりだろ？友達がチケット余してたから運良く貰っちゃった｣
たどり着いたのは、水族館
俺と宏ちゃんがまだお互い小学生だった時に家族と一緒に訪れた思い出の場所
思えば、両方の家族が一緒で遠くに出かけたのってここが最後だったかもしれない
｢ほら、行こ！｣
｢うん！｣
また手を引っ張られて、水族館内へ入って行く
チケットを渡して入場完了
｢うわぁ…！！｣
｢でっけぇな水槽｣
｢うん！！｣
色んな水生生物を間近で見れて迫力満点
無我夢中で楽しめた
見たいのは全て見終わったから、ギフトショップに入ってお土産を吟味する
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作者名：沙羅 x他1人 | 作成日時：2019年4月15日 21時
