隊士達の心を奪う凶悪犯がいるらしい【鬼滅の刃】

煉獄杏寿郎ルート ページ28

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「煉獄様！」



私は煉獄様の屋敷へ来た。「どうした！」と驚いている彼の手を握って、喋る。



「私、あの日の夜に、煉獄様から言っていただいた言葉でいつも助けられていました。」


"俺は今日のAの姿を見て思った！絶対Aは強くなれるぞ！大丈夫だ、俺が保証しよう！胸を張ってくれ！"


私の中でそれは大きな言葉で、いつもその言葉を思い出して任務をしていた。



「煉獄様のことを思い出すと、なんでも頑張れました。煉獄様がいつも見守っててくれてる気がして…」



煉獄様は目を見開いているけど、それでも真剣に相槌を打ちながら私の話を聞いてくれる。




「いつの間にか、私の中で憧れと言う存在から想い人…と言う存在に変わっていました。」



煉獄様はその言葉を聞いて、私を優しく抱きしめて、「そうか」と笑う。




「俺はAと最初に任務をした時から、ずっと想い人だった。Aの謙虚さ、素直さ、真っ直ぐさ…全てに惚れた！俺はもうAで頭がいっぱいだった！」



煉獄様はいつもより少し優しめな声色でそう言う。嬉しくて、涙が出そうだった。




「A…ずっと俺の側にいてくれないか？」


「…はい！喜んで！」




私は彼の優しさと強さ、面倒見の良さ…全てに惚れていた。

彼がいるなら、どんなことだって乗り越えられるって、そんな気がするんだ。




お館様に言われてから真剣に考えた結果、自分の気持ちに素直になれた。

自分の気持ちに正直になれた。




指名手配犯だった私だけど、彼と出会えるきっかけになったのだからそれもそれで良い機会だったのかも知れない。



「…煉獄様、大好きです。」
「俺は愛してるぞ！」
「わ、私も！愛してます！」
「…。」



赤い顔でふわりと笑う彼女は間違いなく有罪(ギルティ)だった。


炎柱はそっと、Aの唇にキスを落としたのだった。



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___その頃、本部にて。



「Aは、杏寿郎を選んだんだね。みんな、お疲れ様。よくがんばったね。」




「…ふーん。まあいいや。」
「嗚呼…煉獄おめでとう…」
「Aちゃんと煉獄さん…！！なんだかキュンキュンするわ！胸熱だわ…！」



各々思うことはあれど、清々しい気持ちになっていた。



「精々派手に幸せになりやがれ。」



彼女を追いかけていた熱が、鬼を殺す熱へと変わったのであった。



-完-



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