隊士達の心を奪う凶悪犯がいるらしい【鬼滅の刃】

真剣に考えて ページ25

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「嗚呼、A…お館様の命で本部に連れて行くぞ…。」
「お、お館様ですか？！わかりました。」


私は岩柱様に連れられ、本部に来た。




「Aが来たね。」



お館様に会うのは2度目だ。緊張する。



「Aは知ってると思うけど、Aは他の隊士を惹きつける力があるんだ。それで柱のみんなもやられてしまったね。」
「は、はい。」


お館様は淡々と話を始める。



「そのせいで、柱のみんながAにちょっかいかけて迷惑をかけてる。それは申し訳ない。だけど、AもAで真剣に考えて欲しいんだ。」



お館様の言葉で私はゴクリ唾を飲む。冷や汗が垂れるし、心臓がバクバクいう。


何を、言われるんだろうって。




「私はAの幸せを願いたい。だから、Aは誰が好きなのか、将又誰も好きじゃないのか。真剣に考えてみよう。そうしたら柱のみんなもきっとケジメがつくはずだよ。」



お館様から発された言葉は私が思っていたより全然優しい言葉だった。

ホッと、胸を撫で下ろす。




___誰が好きなのか。

そう言うの、あまり考えたことがなかった。



「…わかりました。考えてみます。」


お館様はニコッと笑って「焦らずゆっくり考えておいで」と言った。




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私は布団に寝転がり、今までのことを振り返る。


煉獄様との共同任務直後に指名手配犯にされて。
切腹される！って思ってたのに柱の皆様の優しさに触れて。
いつも炭治郎達が暖かく迎えてくれて。



私は幸せ者すぎるなぁ…とつくづく感じた。




「誰が好き…か。」




"誰が好きか"だなんて聞かれてもすぐには答えられない。




_____でも、あの時、あの瞬間。

私は確かに心が揺れた。




"あの人"といることの安心感と、同じくらいの緊張感。





もしそれが、恋というのなら______





私はどうやら彼が好きだ。



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