霞柱の心が奪われた ページ12
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霞柱は速かった。
かまぼこ隊はAからずっと離れずにいたが、かまぼこ隊を普通に押し飛ばしてAの腕を掴んでいたのだ。
「もっと早く歩いてくんない?」
「は、はい…。」
霞柱は他の柱とは違って自分の手で運ぶのではなく、腕を引いて歩かせた。その方が疲れないからだ。
「にしても…どうやって他の柱に病をかけたの?僕にもかけてみてよ。」
霞柱はそう言うと、歩んでる足を止めてAの方に体と顔を向ける。
Aは正直焦った。
「病…ってなんでしょうか。」
そう、病という言葉を初めて聞いたからだ。
Aは自分を窃盗罪だと思われ、追われているのかと思っていた。
「…無自覚なの?君は人に病をかけて狂わせるから指名手配犯になったんだよ?」
「…!?」
…初耳だった。確かに、それがもし本当なのだとしたら私は指名手配犯になってもおかしくない。
__なんだか自分が嫌になった。
柱の人までをそんな病にかけさせて狂わせたのに頑張って逃げることを優先して。
「…そんな顔しなくて良いよ。大したことじゃないし、俺はかかってないから。」
霞柱様は私の頭に少し手をポンと置き、再び歩き出した。マイペースな方だなぁとも思ったが、Aの心はその言葉で少し軽くなった。
「あ、あの、霞柱様!ありがとうございます。」
「…なにが?」
「私、自分が指名手配犯になった理由が分からなくて…それで理由もわかったし、さっき言ってくださった言葉で私の気持ち少し軽くなりました。切腹は怖いけど…それで柱の皆さんを救えるなら受け止めようと思います。」
Aがそう良い少し微笑むと、霞柱は少し目を見開いたのちに「馬鹿なの?」とAに問う。
「切腹なんてさせないよ。何か勘違いしてるみたいだけど…。」
「え…?じゃあ私まだ生きれるんですか?」
「そう。」
霞柱は少しだけ口角を上げた。Aは霞柱の言葉を聞き何故だかわからないけど目頭が熱くなった。
「良かった…。」
ホッと胸を撫で下ろす。霞柱はその姿を見て思わず歩む足を止めた。
「……それより俺も病かかっちゃったみたいなんだけど…。」
「…えっ!?な、なんで!?とりあえず離れた方が良いですよね!?」
Aが霞柱から離れようとすると、霞柱はAの腕を引き、距離を縮める。
「ううん、このままで良い。」
Aはよくわからなかったけど、霞柱の言うことを信じてそのまま足を動かした。
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Nami☆ - 面白かったです!冨岡さん推しなので、冨岡さんルートあって良かった!😄 (3月18日 9時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - ヤルネコさん» すみません汗!アンケートの結果5人のオチを書いて終わると言うことになりましたので、他のルートを書く予定はございません。本当にごめんなさい! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - ヤルネコさん» すみません汗!アンケートの結果5人のオチを書いて終わると言うことになりましたので、他のルートを書く予定はございません。本当にごめんなさい! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - トモさん» ありがとうございます!そう言っていただけるとかいてよかったなって心から思えます、ありがとうございます!!義勇さんに!嬉しいです!善逸のまで読んでくださるんですね汗本当に感謝でいっぱいです。これからもよろしくお願いします! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ヤルネコ - 他のルートも、ぜひお願いします! (2020年4月8日 15時) (レス) id: ad493a3440 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬん | 作者ホームページ:http://urana
作成日時:2020年3月23日 14時