【約ネバ】私達、僕達、俺達の日常【短編集】

お嬢様な夢主ちゃん【2】/全員 ページ22

今、この子なんて言った？「みんな」？もしかして…
「あのっ、みんなって…」
「ここの子をみんな家族にしたいの！ねっ、お父様？」
「ああ、娘のわがままではあるが…衣食住は完璧に確保できる、娘の喋り相手になってくれればそれでいい。」
ぶわっ、とみんなが泣き出す。
あっ、いやなら大丈夫なんだけど…と焦り気味に言うA。
「みんなと離れたくなくてっ、でも、みんなを引き取ってくれるぐらいの家庭はほぼ居ないから、奇跡に近いからって言われて…」と泣きじゃくりながら言った。


施設を出て新しい家に来た。元々いた施設よりも数倍は大きい家。いや、家で表現できないほど大きい建物に年少組は喜び私達は困惑した。
家に入ると色々工夫がされていた。
年少組は大部屋、私達は個室が当てられた。年少組も大きくなったら個室がもらえるらしい。もちろん、ちっちゃい子の中でも個室がいい子が居たら言ってねーと一応言われるが、年少組はまたみんなで寝れることに目をらんらんと輝かせていたので問題はない。
私達の方も、みんなが大部屋がいいなら用意できるよ、と言われるがギルダが断った。
私達ぐらいの年齢になると着替えているときに部屋に入られたりするのを防ぐため、らしい。
「えーっ、私みんなと寝たかったなー」と言うと「月1ぐらいでそういう日作る？」と提案された。もちろんYES。絶対にYES！！！

詳しく自己紹介でもしようか、と喋っていると女の人が入ってくる。
「失礼します、Aお嬢様。」とAに話しかけていた。

シーン…となった。私が幼少期を過ごした、ハウス。そのハウスのママの服装にあまりにも似ていたから。

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