即ファボ失礼します【我妻善逸】

12.同じ思いでしょ ページ14

・





キメツ学園の文化祭には後夜祭があり、毎年花火が打ち上げられる。




episode 12「同じ思いでしょ」





数分前、俺のDMに通知が来た。内容は「Aさんからメンションされました」って。



ストーリーなんだけど、校舎の裏にある河川敷の写真だった。俺のメンションがどこにあるかなんて他の人からはわからないくらい小さくしてあった。
いや胸熱すぎるでしょ、この展開。


俺は学校で炭治郎達とうろついていたから、俺は写真のところにすぐ行けた。



着いたらやはりAちゃんがいて、Aちゃんはずっと空を見上げていた。




「どうして、俺をメンションしたの？」




Aちゃんの隣に座って、俺も空を見上げながらそう言うと、Aちゃんは驚いたようにこちらをみた。




「…善逸くんはずるいなぁ。」




Aちゃんの意図はわからないし、もしかしたら俺のこと好きなんじゃないのとか期待もできない。
だって、彼女には伊之助がいるから。



…いや、やっぱり期待しちゃうのは仕方ないから許して欲しい。




「ずるい…って？」



正直、ずるいのはAちゃんも同じだ。
俺の心を無意識のうちに弄んで来るんだもの。




「私のこと、嫌い？」
「なっ…！？」




Aちゃんからは悲しいような、でも意志のある音がする。俺は動揺してAちゃんの方を見れば、Aちゃんもこちらをみていた。




「嫌いなわけないでしょ。」



むしろ好きだし、愛してるし、もうAちゃん以外ありえないし。




「…そっか！よかった…。」




Aちゃんはふわりと笑って、また空を見上げる。すると夜空に花が咲いた。




「綺麗だねえ。善逸くん。」
「そうだね。」



臭いかもしれないけど、花火より花火を見てるAちゃんの方が綺麗だね。




「伊之助と見なくてよかったの？」
「…私は善逸くんと見たかったんだよ。」
「エッ…！」
「それより、善逸くんこそ炭治郎と見なくてよかったの？」

「……俺も、Aちゃんと見たかったから。」



何これ、なんかいい感じすぎない？
Aちゃんもしかして、俺のこと…すきなの？




「あはは、そっか！」



…ンなわけある筈ないか。

それでも、夢を見れたこの夜は俺にとって忘れられない思い出だよ。



((アイツら一緒に見てんのか？
((そうらしいぞ！！2人がうまく行くといいなぁ…



・

13.好きなんだ→←11.白雪姫の好きな人

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す