即ファボ失礼します【我妻善逸】

17.即ファボ失礼します ページ20

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携帯の呼び出し音



俺の恋が報われるまであと…




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final episode「即ファボ、失礼します」



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「ごめんね、こんな時間に呼び出して。」
「ううん、大丈夫だよ。」




大丈夫なわけない。振られるかもしれないと言うのに気が気ではない。

だけど、Aちゃんが俺に電話をかけてくれて、Aちゃんが俺に顔を向けてくれて。

それだけでも嬉しく思う俺は相当バカだ。





「善逸くん、今日気持ち伝えてくれてありがとう。」




Aちゃんは真っ直ぐな目で俺を見る。俺は思わず唾を飲む。




「こちらこそだよ。」



声揺れてないかな、震えてるのバレてないかな。





「返事、してもいいかな。」

「……うん。」




Aちゃんは大きく息を吸って、俺の手をつかむ。あー、心臓がうるさい。バクバクいってる。





「私も、善逸くんが好き。だから、付き合いたい…デス」





Aちゃんは少し恥ずかしそうに、でも俺のことを見つめてそう言う。

俺は一気に力が抜けて、衝動でAちゃんを抱きしめてしまった。




「…よかった。」




2ヶ月前の俺、Aちゃんのことをフォローすらしてなかった俺。

ただのファンで、遠い存在だったあの子と、今こんな関係になってるんだぞ。




「あ、あの、善逸くん…、恥ずかしいです。」
「俺もすごく恥ずかしい。土があるなら埋まりたいけど、今だけ…許して。」




俺がそう言うと、Aちゃんは「うん」って言って俺の腰に手を回す。
可愛すぎるでしょ。




「俺、本当にAちゃんのこと離さないから。」
「こちらこそだよ。」




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それから1年、また1年と年を重ねていく俺ら。


Aの投稿欄には今や俺や娘、息子の写真がたくさんあった。





ネットから始まる恋。

現代社会ではそんなの当たり前のようにあると思うんだ。



俺だって、SNSを利用してAに近づいたもん。そんなもん。




だけどさ、やっぱり思いは口で伝えないと。

だって、目の前にいる彼女を抱きしめてあげられないでしょ？





「A、」




名前を呼べば、振り向いてくれる彼女がいる。





俺は今でも彼女の「いいね」は一番最初に押すんだよ。
最近は、いつ投稿するかわかるから即ファボしやすいんだ。




「大好きだああたああああ」
「ばか！うるさい！…私も好きだけどね。」




即ファボ、失礼します



-完-




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