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選択 ページ29
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目が覚めた時、隣にいるのが別の誰かだったとして。互いにそれをどう感じるのだろうか。
カーテンの隙間から射し込む眩しさにアラームが鳴るより先に目が覚める。その代わりに聞こえてくるのは包丁が規則正しくまな板を跳ねる音。朝食の匂いが鼻をくすぶり、脳が目覚める準備を始めた。
「あ、拓哉くんおはよう」
「おはよう」
先ほど聞こえてきた音の正体は湯気を纏う味噌汁に散らされた葱を刻んでいた音に違いない。
ふっくら炊き上がった米を茶碗に盛り、二人分テーブルに並べ終わった彼女が小さく笑った。
「拓哉くんこっち来て」
彼女に言われた通りに目の前で腰をかがめると、伸びてきた華奢な指に頭を一撫でされる。
それからいつもより酷くあちこちに向いた髪の毛を見た彼女はかわいい、と溢すのだ。
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作者名:すぅぷ | 作成日時:2019年7月26日 19時