34 ページ34
・
〈関西、行くんだったらさ…10月、二人だけで会おうよ、それまで俺我慢して電話だけでA惚れさせるから〉
は？
一瞬固まった、この人何を言ってるのって
いや、別にいつか転勤するまでに会えたらいいなぁとは多少なりとも思ってたけど…
最後の一文なに？電話で惚れさせるからってどういうこと？
〈あ〜ってことできるわ！あ！泣いてばっかはやめてね、俺抱きしめてあげれないから〉
まるで遠距離のカップルの会話
え、付き合ってないんだけど、なんなら一年前別れたよ？
なんでそんなに優しくしてくるのよ…
＿＿＿＿＿＿＿
あの日から恒例になってしまった深澤くんとの電話
必ず夜にかかってきて、数時間話して終わる、一方的に喋ってるのは変わらずだけど
でも私が声を出すとん？って耳を傾けて聞いてくれる
《スマホ代半端ない…》
〈んはっごめん笑〉
《別にいいですけど…》
こんな些細な話をして一日を締めくくる、いいのか悪いのか、私には分からない
このままだと、どんどん沼っていきそう
《あ、関西、大阪ですって…》
〈ん？転勤？…大阪かぁっていうか行くことにしたんだ〉
《はい、自分のスキルアップのために》
〈偉いねAは、もうとっくの前に前に進めてんだね〉
結局断りきれいない半分、自分の成長のためと大阪への転勤を決意した
ある日の電話では、前に進めてるって…
恐らく私はあの日から前に進めてない、やっぱり後ろを振り返った方が良かったのかなって、毎日後悔ばっか
一生戻らない過去に
〈A、会うの、やっぱやめよっか〉
〈なんか、直前にあって迷惑はかけれないわ俺、いまのAの邪魔はしたくないから笑〉
前に進めてる、そういった後にやっぱ会うのやめようって言ってきたから、会うのやめるの？って言葉が出そうになった
どこか10月に会えるのを楽しみにしていた自分がいたからこそ、悔しかった
《そっか…わかった》
でも嫌だなんて言えないから、わかったって気の利いた返事をした
彼にどう接したらいいのか、私は彼の何になりたいのか、もう分からない
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 511人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チョコ | 作成日時：2022年5月29日 17時
