32 ページ32
・
『そ、それは…決定事項ですか？』
「いや…まぁ、90％の確率で…」
でもここから出て、支社に行くと確実に勉強になるし、自分で何かを決めること決断力などが養われることになる
悪い誘いではないと分かっていても、行きたいです、と首を縦に振ることが出来なかった
「考えておいてくれ」
『はい…』
応接室を出た後、丁度よくスマホが震えた
今日、また電話してもいい？
さっき乱暴に電話をきった彼からだ
いいよ、そう打ったが、送るのをやめて全部消した
もっと忘れられなくなっちゃから、これ以上のめり込んでしまいたくなかったから
〈本当に電話して良かった？〉
《まぁ…》
ですよね
彼は我慢できるような性格じゃない、自分が送ったメールに返事がなかったら尚更だ
〈まじ、返事なかったから心配した〉
態々心配までしてくれたらしい
家に帰って夕ご飯を食べ、お風呂に入って、自由タイムだなと思っていたらかかってきた電話
さすがに無視することが出来ずに通話ボタンを押した
《深澤くん、もう私に関わらなくていいんだよ？》
最後の足掻き、彼を引き離すためにこう言った
今日のことがあってもう何もかもがパンクしちゃいそう、だから声が震えてた気がした
〈もしかして、なんか今日あった？〉
《何も無いよ…》
〈あったでしょ、そんな弱々しい声久しぶりに聞いたよ？笑〉
最後の足掻きは虚しく散ってった上手く避けられて、なんなら今日のことを聞いてきた
久しぶりに聞いた優しい声に、自然に涙が出てきた
《ふ、深澤くん…私、東京に居れない…》
〈なぁんでよ笑何があったの？〉
もう別れたはずなのに
彼が現れて、手を差し伸べてくれる、昔みたいに接してくれるだけで、また沢山好きになっちゃう
ダメなのに
《転勤、関西に行かないかって》
〈…あぁ〜今めっちゃ抱きしめてあげたい、ごめん、でも近づきすぎたらAは俺の事また好きになってくれないでしょ？〉
《分かんないよ…》
私はちょろい女だ
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 511人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チョコ | 作成日時：2022年5月29日 17時
