青空と雨空【F.Tatsuya】 (ページ31)

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〈あ、今照れてるでしょ笑〉

また見透かしたように、何も答えない私にあの鼻で笑うような声で聞いてきた

昔から辰哉くんの鼻で笑うような笑い方は、悪い気はしなかった

バカにしたような笑い方、とは正反対のような目で笑ってくるから

《ふ、深澤くん、元カノにそんなこと言っちゃダメ》

〈え？なんで？〉

《昔のこと思い出しちゃうから、やめた方がいい》

〈俺との思い出でしょ？沢山思い出してよ〉

こんなに甘かったっけ？

でもよく良く思い出してみれば、こんなことは日常茶飯事だった気がする

変なところでかっこいいことばっか言って、何も言い返せない私を見て笑うんだから

〈A？聞こえてる？〉

先「Aちゃん！なんか上の人がよんでるよ？」

『え、あ、はい！』

先輩からの言葉に急いでごめんと言って電話をきり、先輩の方へ小走りで向かった

『何かありましたか？』

先「いや、なんか上の人がA呼んでこいって言ってて」

『え、上の人ですか？』

先「うん、なんかここの本社の人らしいんだけど」

急ぎめに歩きながら、先輩に軽く事情を教えて貰いながら応接室へ向かう

失礼しますと言って中へはいるとうちのオーナーと本社の人であろう方々がソファに座っていた

「あぁ、わざわざ来てもらって済まないね」

『いえ、お話とは…』

「直球ですまないが、君には今年の下旬頃にできる支社に行って欲しくてね…」

『えっと…なんでですかね…』

いきなり言われた言葉に私は固まることしか出来なかった

「新しいところということで新人さん方に主に行ってもらおうと思っているんだ、だが、まだプランナーを初めて1～2年の子達だけだと何かあった時責任を取ることができん」

何となくこれから言う言葉がわかった

「だから今年で6年目の君とその他数人を引き抜いて行ってもらおうかとね…引き抜くという言葉はなんだかすまないが…」

『それって…いつ頃からなんですか？』

「オープンを来年に予想しているから、今年の11月頃から関西の支社に行ってもらう、その代わり、数年経てばまたこちらへ戻ってこられる」

『か、関西！？』

ってきり都内のどこかなのかと思って心の中で安心していた自分がおり

予想だにしない行先に大声で聞き返してしまった

関西に行ってしまったら、私はもうあの人に会うことはできなくなってしまう…

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