22 Fukazawa ページ22
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久しぶりに一年前別れた彼女に出会った
いや、俺は別れたとは思ってないからね?
っていうかメンバーの妹とこうも連絡を取らないだけで会わないとなると、逆にすごいよね
「ちょっと話そうよ」
『私は話すことなんてないよ』
「なに?俺Aに冷たくされるほど悪いことした?」
『…早く話してよ…』
図星をつかれたのか気まずそうに顔を背けながらボソッと言ってきた
「俺、別れたとか思ってないからね」
『…は?』
「いや、ほら、俺別れようって言われてからいいよなんて言ってないし」
『…っ…はぁ…』
都合がいいことはわかってる、公園のベンチで下を向く彼女を見ながらそう言った
『…辰哉くんは昔から何も分かってない…なんで私が貴方と別れたかったか…考えたことある?』
考えたよ、何回でも考えた
俺の何処が悪かったのかな、もしかしたらもう一度帰ってきてくれるんじゃないかって
でも一二ヶ月経って分かったよ、ほんとにこれで終わりなんだって
普通だったらやっと掴んだデビューに嬉しいはずなのに
インタビューで聞かれ、応える言葉とは裏腹に嬉しいよりも勝る不安がどこかにあった
どんなことがあっても絶対近くにはAっていう確実な存在があったから
「ねぇA、もう一回おれと一緒に居てよ」
『…勝手に別れを告げた私が貴方と居る資格なんてない』
「いいよ別に…そんなの…前も言ったけど、邪魔とか思ってないから、世間とかそんなの知らないよ、俺はアイドルの前に一人の人間だから」
『…っ…と、とにかく私と貴方はメンバーの妹、お兄ちゃんのメンバー、それ以上でもそれ以下でもないから』
涙を目にためながら公園を出ていった彼女の背中を追いかけることは俺には出来なかった
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作者名:チョコ | 作成日時:2022年5月29日 17時