青空と雨空【F.Tatsuya】 (ページ21)

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2019年

『辰哉、お願い別れて』

「嫌だ」

まるで駄々をこねる子供かのように頑なに発言を変えようとしない

こうなったらと思い、私の意見を突き通した

『わかった…今までありがとう、これからも頑張ってね』

「え、は？ちょっ！」

彼が強く握っていた私の手を彼からゆっくり外し、二人で入っていた傘を抜けて二度と後ろを向かなかった

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2020年

阿「あれ？Aちゃん帰ってきてたんだ」

『亮平くん…』

翔「Aいんの？」

『うん、でもこれから家に帰るから、あとはお母さんに迷惑かけない程度にね』

翔「一人で大丈夫かよ」

『大丈夫笑流石にもう26だよ？笑』

早くこの場から居なくなりたくて急いでカバンを片手に玄関へ向かった

幸い家に入ってきてるのはお兄ちゃん、佐久間くん、亮平くんのみ

ほっとしたのもつかの間靴を履いて闇夜の外へ出た

宮「あ、Aちゃん？」

『涼太くん？』

宮「うん、これから翔太の家に行くんだけど…」

『あ、そうなんだ、楽しんでね』

いつにもなくあの人と会いたくなくて一人で急いでいると涼太くんの後ろから声が聞こえてきた

岩「ちょ、ふっか！笑」

「照ー！俺たちもうちょいでデビュー1周年じゃないか！」

岩「だから静かにしろって笑」

「あ、うるさいか笑」

照くんと共に後ろから歩いてきたのは今一番会いたくなかった人

『じゃあ涼太くんまたね』

宮「ふっかに会わなくていいの？」

『うん、大丈夫』

どうせ最終的には彼の隣を通らなきゃ行けない、だったら見て見ぬふりをすればいいと思い、開き直った

「え、ちょ、笑」

『…っ』

「そのまま行こうとしないでよ笑」

案の定私の腕を掴んで止めてきた彼

『なん…ですか…』

「堅いって笑」

『離してよ、深澤くん』

「久しぶりに会ったと思えば敬語に君付け？笑」

昔と変わらない甘ったるい声で言って、鼻で笑う

ほんとに何一つ変わってない

岩「…ふっかあとから来なよ」

宮「そう…だね…来る時はインターホン押してね」

唯一の助けの二人が去っていった

後ろを向いて歩き出した二人の背中を見ながら終わったと思った

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