青空と雨空【F.Tatsuya】 (ページ19)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:82,760 hit

19 ページ19

・

2019年

「A！俺デビュー決まった！」

いつかくると思ってた

普通の人とは違うお仕事をしている彼と付き合うということの負担を

彼と付き合い初めて9年弱経つけど、毎日彼と会うことが怖かった

いつか離れなきゃいけない時が来るんじゃないかって

『え！よかったじゃん！じゃあ次家に来る時はご馳走作らなきゃね笑』

「んはっA～これからもよろしくね？会う時間少なくなるけど…」

『う、うん…』

「しゃー！頑張んないとな笑」

これから一層頑張ろうと意気込む彼を見て、一人胸が苦しくなった

・

別れなきゃ別れなきゃって思いながらずるずる彼とのことを引っ張ってた

そしてあっという間にクリスマスのシーズンになっていた

「明日どうする？」

『明日は辰哉くんの家行くよ』

クリスマスイブ、かかってきた電話に明日は辰哉くんの家に行くといい決心をつけた

「お、いらっしゃい笑」

『辰哉くん、今日いい思い出になるといいね』

「え、なに？意味深笑」

『意味深でもなんでもいいから』

この日で終わりにするんだ

これ以上引きずったらデビュー日に近づいていくし、私のせいで彼の邪魔にはなりたくない

「あ～外行かなくて良かったね？笑」

『え、なんで？』

「ほら、雨降ってんじゃん笑」

『ほんとだ笑』

ベランダへ繋がる大きな窓を見ながら横で笑ってきた辰哉くん

この笑顔も今日で最後、歯痒い気持ちになりながら夕飯のための支度を始めた

「次いつ会う？」

『ん～会えたらね笑』

「え、それ会わない人の反応じゃん！笑」

『ふふっまた会える日に会お？』

何それなんて言いながら私の作ったご飯を食べ進める彼

すると、ふと顔を上げた

「あ、言っとくけど、俺は一生Aと別れる気ないよ？」

見透かされたような目で見てきた辰哉くん

それに負けたらダメだと思い、平然とした態度で応えた

『それは分かんないよ笑人の気持ちは変わるんだから』

「どうせ辰哉くん以外好きになれないくせに」

『私のこと大好きなくせに』

「ふはっだったらなんだって言うんだ！笑」

そして二人して笑いあった

・