青空と雨空【F.Tatsuya】 (ページ14)

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「んふっきちゃったね…クリスマス」

『はい…』

特に何事もなく数ヶ月が過ぎた

そして来て欲しくなかったクリスマスシーズンが到来した

まぁ、案の定家に来た深澤くん

でもなんというかクリスマス前日は楽しみ半分、自分の気持ちを見失いそうになった

「なぁに、そんな不服そうな顔して」

『不服ではないですけど…』

翔「ふっか、よろしくな」

「はいはい笑」
「Aちゃん、行こ？」

『行ってきます』

いつもシスコンを発するお兄ちゃん、なのに今日はすんなり深澤くんに私を任せた

普通ここでそのシスコンを使うんだよ！

『ほんとにクリスマス一緒にいる気なんですね』

「だから言ったじゃん、今年は俺とたくさん居ようね？って」

『冗談かと思いました、いそがしそうだったから』

「んはっ俺は毎日暇だから大丈夫笑」

『暇じゃないですよね？兄から聞きました』

実は深澤くんと出かける数週間前に兄に話があると声をかけられた

なんだろうと思いテーブル越しにお兄ちゃんの前へ座った

『お兄ちゃん、話ってなに』

翔「…本当はふっか、暇なんかじゃねぇよ」

『え？』

翔「あいつ毎日頑張ってんだよ、Aの為に」

『どういうこと？』

詳しく話を聞くとお兄ちゃんも深澤くんも、前来たお友達も事務所に入ってるらしい

その中でも深澤くんは、私に会ったあの日から一人で頑張って、平然を装ってたらしい

私に気づかれないようにって

でも、これで辻褄が全部あった気がした、なぜあんなに夏休みお兄ちゃんは出かけていたのか、なぜあんなに迎えに来てくれた時の深澤くんが汗をかいていたのか

『隠さないでください、私は全部知りたかったです…』

「あらら…ばれちゃったか笑」

『私分かんないんです、最近お兄ちゃんが事務所入ってるなんて知ったし、家族のこと1ミリもわかんない』

「…Aちゃん」

『深澤くんとの関わり方も分かんないんです！こんなに親しくする男の子なんてお兄ちゃんぐらいしかいないから…どう接したらいいかも…』

「…じゃぁAちゃんはどう俺の事を思って接してたの？」

『それは…お友達？』

「毎日家に帰って俺の事考えることが一度でもあった？」

そう聞かれて私は頷くことしか出来なかった

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