青空と雨空【F.Tatsuya】 (ページ13)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:82,764 hit

13 ページ13

・

翔「俺駅まで送ってくるから」

『うん、行ってらっしゃい』

玄関を出ていったお兄ちゃんの背を見送った

母「深澤くんだっけ？翔太からみんなの話は聞いてたけど…面白い子ね笑」

『深澤くんが？』

母「えぇ笑でも高校違うわよね？なんで仲良しに？」

『ほら、私がびしょびしょで帰ってきた日』

母「あの時？」

『うん、パーカー借してくれた』

母「優しいじゃない、あんな人がAと結婚してくれたらねぇ…」

変なことを言い出したお母さんの腕を軽く叩いた

深澤くんと結婚なんて、付き合ってもないのにはやすぎるでしょ

・

夏のセミが声を振り絞って最後の力で鳴いているのを横目に夏休み開けの学校へ向かう

昨日深澤くんから連絡がきて、"今日は勉強じゃなくて息抜きしよわら"ときた

その連絡をもう一度登校中に見て、スマホの電源をきった

「…お！Aちゃん！夏休みぶりだね」

『なんか疲れてます？』

「…っえ？なんで？笑」

『ほら、汗かいてます』

「あぁ…まだ暑いからね笑」

登校日だから早く終わり、もう既に居た深澤くんは目を泳がせながら汗をかいている理由を話した

「あ、ねぇAちゃん、今年は俺と一緒たくさん居ようね？」

『え、なんでですか？』

「ほら、Aちゃんは友達いないんでしょ？だったら俺とたくさん居よう？」

『…バカにしてるよね』

「うそだから笑Aちゃんと居るのが楽しいから、クリスマスとか一緒に居よ？」

『家族と過ごします』

「じゃあ翔太んち行くから」

『…あぁ～もうわかりました！っていうかまだまだ先ですから！』

えぇ～なんて言いながら後ろから追いかけてきた深澤くん

クリスマスなんて先だし、ロマンチックすぎるでしょ

っていうか深澤くんとクリスマス何しろって言うのよ、勉強するだけなのに笑

・