31 ページ31
・
翌日、少しばかり恥ずかしい気持ちを抱えながらも渡辺さんの元へ
渡「どうだったんだよ」
『…全部、教えてもらいました』
渡「ならいいよ」
どこか安心した様子で私を見た渡辺さんは一度ため息をついた
渡「…はぁ、じゃあまたお前はふっかのとこか」
『…その件なんですが…』
渡「戻んねぇの？」
このまま渡辺さんのところから辰哉さんの元へ戻ったところで
何の変りもなくなるような気がして
しかも、勿体なくも感じてきてしまう
だから
『…私、秘書辞めます』
渡「は？」
『退職？します』
渡「え、は、待って、何言ってんの？」
『…専業主婦に、なります』
選びきれなかった私は辞めるという選択へ辿り着いた
秘書もずっと続けて行けるようなものじゃないと心のどこかで思っていたから
渡「本格的に夫婦になってんじゃねぇかよ」
『…夫婦、ですから』
渡「うっわ、ムカつくわぁ笑」
微かに笑いながらよかったなって一言
沢山迷惑ばかりかけたけど、顔を上げてありがとうございましたって私も一言
感謝されることしてないしなんて耳を赤らめてそっぽ向いた渡辺さん
ちょっとだけその姿に笑ってしまった
『長い間、秘書として育ててくれて本当にありがとうございました』
渡「育てたのは俺だもんな笑」
『そこは自信満々なんですね笑』
＿＿＿＿＿＿＿
「え〜本当に辞めちゃっていいの？」
『他の男の秘書するなって言ったのどこの誰ですか？』
「んは、俺だね笑」
全てが終わり、家に帰ると
珍しく辰哉さんがお帰りになっていた
料理をしようと立ったキッチンに書斎から出てきた辰哉さんが後ろから手を回してくる
『怪我しますよ？』
「いいよ別に、治るし」
私の肩に顎を置き、喋る彼が少しくすぐったい
「そういえばさ、会長さんが改めて会いたいってよ」
『会長がですか？』
「ん、夫婦なんだから顔を出しに来いって笑」
包丁を持った手を一度止めて、まな板に置いた
振り返り、彼に抱きついてみた
「おぉ笑なぁに？笑」
『怒られますかね？秘書辞めたって言ったら…』
「ふはっなに、そんなこと？笑」
『私にとっては一大事です…』
いくら辰哉さんのお父様と言っても、秘書としての私を褒めてくれていたのであって
その秘書ではなくなった私を見れば幻滅されるのではないのだろうか
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1499人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひよこ(プロフ) - Web版でやってみたら見れました！ありがとうございます！！これからも作品楽しみにしてます！ (2022年12月11日 17時) (
レス) id: 319ea55b20 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - ひよこさん» 私の作った作品が全部ある作品ページに飛んでいただけるとあるかと思いますが、R18設定にしているので、もし見れない場合はWeb版の占ツクに飛んで設定変えた方がいいかもです！ (2022年12月10日 19時) (レス) id: 8fca653651 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 番外編はどうやれば見れますか？？ (2022年12月10日 15時) (レス) @page37 id: 319ea55b20 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ(プロフ) - れにょんさん» コメントありがとうございます！ぜひぜひお話読んでみてください！ (2022年9月18日 19時) (レス) id: 8fca653651 (このIDを非表示/違反報告)
れにょん(プロフ) - チョコさんのお話初めて拝読してます！難が続くんですね、スカッとしたいです！他の作品も読んでみようと思います。 (2022年9月18日 17時) (レス) @page17 id: 72b503e088 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チョコ | 作成日時：2022年9月7日 2時
