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今さら戻って来いなんてムリに決まってるのに。
あぁ、人生って何が起こるか全く予想のつかないものだな__
「あのさ、薮…」
「ん…?」
でもきっと、薮の"戻って来い"は俺が期待するものとは違う。
期待するだけ傷つくのは分かってる
「こっちは桜が満開だよ」
「あぁ、そーみたいだな。」
え……?
__そーみたい? なんで薮が知ってるの、、
巡りに巡らせて、もしかしてと振り返る……けど気配はないどころか、人すらいなかった。
「ねぇ、今どこ?」
「いいから早く戻ってこいよ」
…っ、なんで言わないんだよ。
俺はお前みたいに頭もよくないし、気づかなかったらそのまま飲みにでも行ってたかもしれない。
「ばかじゃねぇの、、いつから居んだよ」
「ん〜、結構前だよ。
てゆか春とは言えナメてたわ。風さみぃ。」
より騒ぎ立てる心臓を抑えるかのように、ぶっきらぼうに電話を切り、早足で家に戻れば薮の姿。
何年ぶりだろう…
「よっ」
フニャリと笑うその笑顔に安心する。
「お前バカじゃねぇの。戻って来いって向こうの会社かと思うだろ。
家のことだと思わねぇからな、普通」
「いや、お前なら分かるかなって。
それに出回りなんかしてないんだろ、体調崩してるのに」
「…え、」
一瞬、鍵を開ける俺の手が止まる。
たしかに出回りなんかしてなくて、体調不良の気晴らしに出かけていただけ。
__でも、そんなこと誰にも言ってないのに…
「なんだろ、そう言うの分かるんだよな…
意志疎通ってやつ?…とはちょっと違うか。」
やっぱり薮はズルい。
俺はやぶのこと全然分からないのに、薮は俺のこと、よく分かってくれてる。
「あ、あと俺もこっちに異動になったから。
よろしくな、光。」
「…え、ぁ…、、え?!」
__人生って何が起こるか分からない。
____
結局やぶさんは光さんの事がスキなんでしょうかね…?
書きながら、やぶさんの心情が頭に浮かばなくてビミョーなまま終わってしまいました、、
続きもいつかは書きたいですね^^
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作者名:み。 | 作成日時:2022年2月28日 17時