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．
っ＿＿
いつの間に眠ったのか、顔を上げるとまだ外は明るい。
フと時計を見ると、さっきから５分も経っていなかった
「起きた？…おはよ」
突然そんな声が後ろから聞こえたけど、伊野ちゃんの声ではないのは確か
少しビックリして振り向くと、制服を着崩した薮の姿があった
いくらカッコいいと騒がれても調子に乗らず、制服をちゃんと着ている薮にしては珍しい姿だった。
眠い目を擦っているとワシャワシャと頭を撫でられハハッと笑うその姿に懐かしさを覚えるけど、俺は照れ隠しでしか返せない。
「やめろよっ、俺もう子どもじゃねぇんだからな」
「光は俺からみれば子どもだよ。少しも成長しない」
「またそうやってカラかいやがって」
ふてくされた子どもみたいに、また机に伏せると「いいじゃん、そっちの方が可愛くて」なんて今日の薮は少しおかしい。
「バカだろ、男に可愛いとか。
…ていうか、わざわざ着崩すくらいなら私服で来ればいいだろ。着崩すとかいつもの薮じゃないみたいでヤダ」
「いや、どうせなら光と制服で写真とろうと思ってたんだけどさ。
ボタンくれとかって、どんどん取っちゃったからボタンが無ぇのよ」
あーぁ、やっぱり薮は女子から人気なんだ
俺なんか眼中にないんだよ、……男だし
「だからって全部開けなくていいじゃん。
残ったボタンくらい留めなよ。……ほら、」
昔からそうだった。
薮は俺より優れたものをたくさん持ってるけど、家庭的なことになると何もできない。
昔はリボン結びだって、やぶができるようになるまで俺がやってあげてたし、下着のシャツを反対に着てるのを指摘すると、「じゃあ手伝ってよ」なんて手伝わされたりもした。
今だって＿＿＿＿
．
え……、
．
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作者名：み。 | 作成日時：2022年2月28日 17時
