┼ ページ4
.
「ははっ！薮くん、何か光くんの地雷踏んだんじゃないの？」
「そりゃ、そうだろうけど……」
結局あのあと光は、コンビニで買ってきたであろうお菓子を持って帰ってきて、俺に渡すとすんなりと帰ってしまった。
それを裕翔に話すと、案の定笑われる始末。
今回のライブでドラムを担当する裕翔に、進行状況を聞きたいってそこらへんの喫茶店に誘われたけど、当然あのあとじゃ話せる内容もない。
「まぁ、あれだよね。薮くんがどうにかしてくんないと進まないし」
「他人事だと思ってるだろ」
「だって他人事だもん。んー！うま！」
目の前のイチゴパフェを食べながらいつも通りの裕翔とは裏腹に、
俺は頭を悩ませるしかない。
謝るにしても何に対して？って話だし、かと言って急にいつも通りってのも気が引ける。
「少しくらい考えて欲しいんだけど」
「えぇ、ん〜……。とりあえず、原因はどう考えても薮くんの教え方だよね」
いやまぁ、言わずもがなその通りなんですけど。
でも、あれの何が悪いかイマイチわからん。
「あの教え方ってしない方がいいってこと？」
「まぁ、しない方がいいというか、光くんには良くなかったんだろうね。
てかなんでそうしようと思ったわけ？対面でもいいじゃん」
言われてみれば確かにそうだけど、別にあれがダメだったなんて思ってもみなかったし、そもそも確認するやつがいるか？
……ん？
「まて、裕翔。なんか前に変なこと言ってたよな」
「変なこと？なにそれ？」
「光が俺を何とか〜って」
「……あ。それだよ薮くん！」
「え、おい！ちょっと待て、まだ食べ終えてない！……ったく」
早々に裕翔が立ち上がって店を出ようとするけど、光と言い裕翔と言い、唐突に走り出すからたまったもんじゃない。
急いで支払いを済ませて裕翔を追いかけると、来たときとは違う方向に走っていく。
.
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←┼
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 192人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：み。 | 作成日時：2024年2月15日 0時
