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Satoru side
五「路地に現れる呪霊…ね」
伊「推定でも1級呪霊だとされています。
生得領域のようなものも確認されています。」
五「ふーん…死亡者がでてるってこと?」
伊「…確認されているだけで、3人です」
五「…」
伊地知に降ろされた場所は、
大通りから少し離れた裏路地のような場所。
伊「帳をおろします」
五「待って」
伊「は、はい…」
五「…いるね。人」
伊「え」
五「先に救出だ。祓うのはその後。」
伊「わ…分かりました!」
伊地知が帳をおろしたのを確認し、中の様子を改めて確認する。
五「霧が濃いな…」
目の前が見えなくなるぐらいに濃い霧。
普通の人間だったらまともに歩けなくなるだろう。
五「誰かいる〜?」
呼びかけてみても返事は無い。
遠いのか。それとも、もう…。
呪霊は恐らく、1級。これは生得領域。
ここに間違いは無いな。
分析しながら、中にいるであろう人を探す。
キーンとした耳鳴りがする向こうの方で、声が聞こえた。
”誰かー!!”
走ってくる足音。荒い息遣い。
声的に女の子か。
五「こっちにいるよー」
”助けて…助けてください!”
五「うん。分かったからおいで〜」
段々と霧の中から女の子の姿が見える。
「はぁ…はぁ…。助け…て…」
女子高生か。
ずっと走っていたのか、すごく汗をかいている。
五「怪我は?」
「ないです…でもずっと…追いかけられてて…」
五「とりあえず…君を先に出そうか」
「…?」
五「ちょっとごめんね」
女子高生をさっと抱っこして、帳の境界線まで戻る。
伊地知に預けて、後で事情聴取だな。
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作者名:.~. | 作成日時:2024年1月31日 20時