ガイドくんと人魚姫

ウエスタンな雰囲気に誘われて ページ23

Aはそびえ立つ建物に見とれながら道なりに沿って歩く。

すると景色は近代的なものからどんどんジャングルの中に入った。

聞いたことのない生き物の声。

トロピカルな音楽。

それらが彼女の足取りを軽くする。

彼女はどんどん進む。

するとそこはさっきのジャングルとはかけ離れていて何となく肌が乾燥してしまいそうな感じな場所になった。

歩きっぱなしで疲れた足を休めようととあるお店に入る。

そこはほんとガラガラでやってるのかやってないかよく分からなかった。

カウンターに1人座っているだけのほんとこじんまりしたお店。

｢すみません、お水いもらえません？｣

彼女の声に座っていた男が振り向き

｢どうしたの？｣

声をかけてきた。

男は背が高く、スレンダーな体型でふにゃっとした笑みを浮かべるとAに近寄ってきた。

こういう場面では普通後ずさりしたり店の外に出たりするのもだが彼女はむしろ彼に近づいた。

｢おっと近くで見ればますます美人なお嬢さんですね｣

そう言って彼はAを抱きしめる。

｢ちょっと！！離して｣

するとすぐに彼女は解放されて

｢おっと済まない！昔のくせがつい出てしまって｣

｢ところで水が欲しいんだっけ？カウンターに座っててもってくる｣

男は店の奥にもどった。

彼女は一応カウンターに腰掛ける。

ウエスタンな酒場のようなその店は彼女にとってまた新しい世界だった。

｢おまたせ｣

｢あっありがとう｣

コップの水を飲み干すと男はおおっと声を上げたあとAに自己紹介をした。

｢俺はミシシッピ・マイク君は？｣

｢わたしねA！｣

何も疑うようなことのないそんな油断しまくっている表情に彼の心は何故か締め付けられる。

｢ところでAなんでウエスタンランドに来たの？｣

｢うーん｣

なぜと聞かれても特に理由はない

｢お散歩かな？｣

｢それで喉がかわいちゃっててでもお金持ってないから……｣

｢それでここに来たと……｣

｢うん！｣

ミシシッピは少し考えた。

｢なあA君家は？｣

｢たしか入口のところ｣

そっかー

そんな呟くような声をあげミシシッピはそうだと思いついた。

｢今日は散歩はここまでにした方がいい｣

｢家まで送っていくから｣

なぜかそんなことを口走った。

彼女もなんでと首をかしげたが、すぐに了承してもらい。

2人で雪が降り始めている外へ出た。

彼の手→←緊急事態！？

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