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「私どもを匿えばあなたに危険が及ぶやも知れません。どうかお気づかいなく」
私たちを自分の船へと案内してくれると言ってくれた金髪の男性。
だけど私たちは追われる身。
私たちが逃げるぶんにはいいけれど
見知らぬ人を危険には晒せない。
「遠慮しないで。そういうのには慣れてっから。海賊だからな」
「海賊……」
まさか本当に海賊と出会えるとは。
その男性は私たちを船に乗せると
温かいご飯まで与えてくれた。
久しぶりに安心して食べたご飯は
自然と涙が出た。
一気に緊張がほぐれた。
シャワーも借り、サンジさんという男性が
お皿を洗っているのを見ている内にだんだんと眠たくなってきた。
少しだけ、と目を閉じると
1分もかからず眠りについてしまった。
次にシャワーからあがった女性、ルシャは
机に突っ伏して寝ているAの姿を見て驚いた。
するとサンジも近づいてきた。
「いつの間にか寝たみたいだな」
「…姫様がちゃんと寝ているのを見るのなんて、いつぶりでしょうか」
「どうやらワケありみたいだな」
ルシャは辛いことを思い出したのか
俯き、ポツリと呟いた。
「何があったのかは、姫様の口からお聞きください。私の口からは何も言えません」
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作者名：ぎんまる | 作成日時：2017年9月11日 23時
