つかむ ページ45
なんかこう、無性に仕事がしたい。
デスクで淡々と書類を片したい。
時々やってくる仕事脳の時期だ。
建物にやってくるファンの方々、深夜まで明かりを付けているのは最近私です。アイドルと間違えないでね。
『オッパ〜。今からメンバーの送迎して仕事上がりですよね？私その書類やっときますよ、今日は残業したい気分』
「んな気分あってたまるか。…え、いいの？超助かるけどさあ。お前昨日も夜遅くなかった？」
『全然。私なんかこう、今すごい仕事に打ち込みたい気分。ていうか職場に居たい気分？』
「ええ…？いや、お前がいいならいいんだけどさあ…。あんま根詰めるなよ？」
『はーい。夜ご飯食べてきま〜す』
「…んで？あいつどした？なんで今あんなに仕事人間な訳？連日事務所に缶詰で仕事してない？」
「ん〜、近いうちのカムバはないのにね。時々来るよね、Aちゃんの仕事人間スイッチ」
「暇なので、ねえ…。最近ジュナとはどうなってんの？あの日からまだ会えてねえの？」
「そうみたい。でも最近は電話も積極的にしてたみたいでしょ？前みたいに戻りつつあるからそろそろ会うんじゃないか〜とか思ってたんだけど？」
「ジュンは明らかにそわそわしてる。会いたいなら会いにくればいいのに。タイミング逃したのかなあ」
「AちゃんもAちゃんよお。あの子が仕事人間になるのってさ、人間関係上手くいってない時じゃない…？前に恋人と上手くいってない時とか毎回遅くまで残って仕事してなかった？」
「あ〜…オンニ仕事で忘れたいタイプなんだあ。…えっ、じゃあ別れたってこと？嘘？！」
「んや、別れてはねえだろうけど。デスクの中国の菓子そのままだぜ？あいつ思い出は物事断捨離するタイプじゃん。
なんだろ、会いたいけど会えないから悶々としてる、とか？」
「…うん、オンニはジュンさんに会いたいんですよ。だからここにずっと居るんじゃないですか？」
「？」
「ジュンさん達も夜遅くまで練習してるでしょ。もしかしたら会いに来るかもしれないし、会いに来れなくても同じ場所に居るってことになるじゃないですか。
傍にいたいんですよ、姿が見えなくても」
「…かもね。それってすごくいじらしくて可愛いけど、早く解決しなきゃ。身体が持たないわよ」
周りの人間に私自身も無意識で分からない事を見透かされて案じられてることを、私は知らない。
『…くしゅっ。なんだ、誰か噂してんのか…？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 844人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なっつ(プロフ) - 素敵な作品に出会えて一気に読んでしまいました…！これからも楽しみにしています。 (10月2日 1時) (
レス) id: 1d12df4e5b (このIDを非表示/違反報告)
ムーンワーカー - 次の更新も待ってます！もう、めちゃくちゃ大好きです！ (2023年3月5日 20時) (レス) id: 8899fe7fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆび - 一生大好きです……更新ありがとうございます………ずっとずっと楽しみに待ってました……ありがとうございます………幸せになれ……！！ (2023年1月3日 1時) (レス) id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菫 | 作成日時：2023年1月2日 1時
