1歩進んで半歩戻る僕ら 3

・ ページ34

js「そうだなあ…君が知らなくて僕が知ってるAをどこまで話せるか分からないけれど…。

まずどうして彼女が僕らと友達になったか、どうして彼女がこの事務所に居るのか知ってもらおうかな。

ジュニはAがなんでこの会社に来たか聞いた？」

jn「？事務員としてお仕事するため？」

js「あー…そっか、本人はまだ言ってないのか。


あのねジュニ、Aは最初練習生として来たんだよ」

jn「えっ」


前から不思議だなとは思ってたけど。

だって綺麗な人なのに、なんでヒョンはアイドルとしての道を提示しなかったのかなって。


もしかして、僕が知らなかっただけで練習生期間が被っていた…？

韓国が全く分からなくて少しも余裕の無くて毎日が必死だったあの時期。


他の、異性のグループのことなんて見ている筈もなかった。


js「アイドルになりに来た、…とは言い難いけど。スカウトで来たらしいよ。
なんとジョンハンと同日入所。そこで色々話して仲良くなったみたい」

jn「あ、あ〜〜……なるほど。だから同期って呼んでて仲良かったんだね」


色々な謎が解けていく。

なるほど、そうか。Aさん実は僕の後輩だったのか。


誰にとっても環境が大きく変わり、プレッシャーや焦り、人間関係の構築で膨大なストレスがかかる入所時期。

そりゃあ同じ境遇の、しかも同じ歳の子が居るなら仲良くなるよなあ…。


僕には絶対にしない、もしかしたらシュアヒョンにもしないかもしれない少し乱雑で真っ直ぐな言葉と軽口が飛び交う2人の関係。

お互いに苦悩をなんでも言い合える仲だったんだろう。
僕とハオみたいな感じなのかな？


僕はそれを少し羨ましく思っていたけれど、自分にも居る存在で理解出来たのでそれは僕が踏み込めない関係性だな、と納得した。

昔も今も必要な存在な筈だろう、2人にとって。






jn「練習生を辞めたのはヨジャグループが誕生しなかったから？」

js「いや、3ヶ月で辞めてるし自分からスタッフに移動したいって言ったらしい。根性とかの問題じゃなくて相性の問題なんだって、本人的には」

jn「わ、わあ…なんだかすっごくAさんっぽい」

js「はは、だよね」





さて、じゃあこのヒョンはAさんにとってどんな人で、どんな風に出会ったのだろう？

・→←相談[葛藤者達]

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す