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一度大きく息を吸い込むと部屋の持ち主お気に入りのアロマの香りと夜の澄んだ冷たい空気の香りがした。
jn「Aさん外に居るんですか？僕と話してたら風邪ひきませんか？」
『いえ、うちにバルコニーは無いので。代わりに大っきい窓と縁があるのでそこに座って窓開けてます』
カラン、と氷とグラスが触れる音が聞こえる。
彼女は晩酌中みたい。いい夜の過ごし方してるなあ。
僕も窓に近寄ってカーテンを開けるとなるほど、いつもより近くにあるように大きなまん丸の月が出ていた。
jn「ほんとだ…。すっごく大きくはっきり見えますね」
『でしょう？これは誰かに共有しないと』
静かに大窓を開けてベランダに出る。
ハオは時々ここに出ているのか彼の几帳面な性格故か、汚れなく綺麗な状態に保たれていた。
素足がバルコニーの地面と触れ合いひんやりと気持ちがいい。風も少しあり、心地が良かった。
隣の部屋のメンバー達はもう寝たのだろうか。
車の音も人の声も聞こえない、月見をするには良い夜だ。
『ジュンさんは月とか良く見る方ですか？
私時々月が綺麗に見えてたらベランダでお酒とか飲んでぼーっとしたりするんですけど』
jn「……」
こんな何気ない会話が久しぶりすぎてちょっと戸惑うのと、噛み締めてるのと。
jn「僕は…、」
そうだ、Aさんは自分の意見や気持ちを言うのも上手だけど何より聞き上手だった。
僕が話すまで、じっと待っていてくれる。
そうやって僕達はお互いの距離を確かめて、近づいて行ったんだった。
jn「今は夜まで忙しかったり、室内に居るので見ることはあんまりですけど。
練習生の頃は良く見ていた気が、します」
『どうして？』
jn「中国からここに来た時、練習とか言葉とか色んな壁にぶつかって苦しい時が沢山あって。
あとは…家族が恋しくて。
帰りたいなって時によく見てたなあ。韓国に居ても中国に居ても見ている月は1つで、同じものだったから。
見てると、安心しました」
『なるほど、私も一人暮らしの時そうだったかもなあ』
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なっつ(プロフ) - 素敵な作品に出会えて一気に読んでしまいました…！これからも楽しみにしています。 (10月2日 1時) (
レス) id: 1d12df4e5b (このIDを非表示/違反報告)
ムーンワーカー - 次の更新も待ってます！もう、めちゃくちゃ大好きです！ (2023年3月5日 20時) (レス) id: 8899fe7fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆび - 一生大好きです……更新ありがとうございます………ずっとずっと楽しみに待ってました……ありがとうございます………幸せになれ……！！ (2023年1月3日 1時) (レス) id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫 | 作成日時：2023年1月2日 1時
