1歩進んで半歩戻る僕ら 3

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jh「さて。…慎重で賢いエイサならAの事ある程度は調べただろ？」


俺はAをよく知っている。

良いところも、悪いところも。



mh「Aさん、優しくて良い人だよね」

jh「うん。スタッフとして俺らに接する分には良い人。この上なくね。

でもプライベート、恋人に対しては良い人かな？
彼氏コロコロ変わってたんだよな、一時。告白されれば大体OKしてしばらくしたら振られる。

すごい良くいえば優しい奴、言い換えれば男関係がだらしなくて見境ない奴。俺達には良い人だけどその人達にとってはそうじゃない。

しかも恋人は異性だけとは限らないと来た。そんな奴をジュニの彼女にしてていいのかなあ？」


ここに居ない友人を否定しまくる言葉に本気で分からない、と怪訝な顔で心を示す弟。

そうだろうね、友達を庇う事をするだろうと思ったのにネガキャンし始めたんだから。


でもこれがミョンホが聞きたい答えだと思ったから答えた。それだけの話。

俺はこいつとAに、誠実で居なければならない。


mh「…それでもヒョンが友達でいるんなら少なくともヒョンに手を出してなくて、分別がある人って事でしょ。
だらしないって言ったけど、ヒョンはその男の人達との付き合い方も知ってた筈だろ。弁明はない訳？」

jh「うーん、俺はAの性格もそうなる理由も全部知ってっからね、庇うことはいくらでも出来るよ。

でもそれも事実じゃん？誰がどう見るか、どこまで知ってるかで印象なんて天と地程変わるよ、分かるでしょ。

俺はそれを気にしてないけど、お前は…お前らはどうかって話」

mh「……」




潔白、誠実、義理。

とにかく透明で無垢な形を彼ら二人は好む。
彼ら自身がそうであれと、周りにもそうであれと求める。
穢れを極端に嫌う。

強く真っ直ぐな彼らは、高い理想に脆く崩れる危うさも持っている。

俺はそれを面白いと思う反面、いつか心が壊れてしまうのではないかと心配だった。


ジュニにもシュアがそれとなく伝えるだろう。あいつはただ優しくて人に合わせるのが上手なだけじゃない、少し人とズレた、人を壊しやすい人間であると。

ジュニが積み上げるAへの理想像の前に崩れる前に。

まあシュアは俺より優しいので。上手いこと言葉を選んでオブラートに伝えるだろうけど。

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