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「！君は…SEVENTEENのエスクプス君、」
sc「はい、統括リーダーのエスクプスです。俺たちのお仕事で来られたんですよね。ここまで御足労いただいてありがとうございます。顔合わせにも出られず申し訳ないです」
颯爽と現れて彼女と彼の間に割って入ったのは僕たちのリーダー、クプスヒョンだった。
にこりと大人の、アイドルの顔をして男の人に笑いかけるヒョンが見えた。
僕はこの顔を知ってる。
僕達弟の元にこの顔をして駆けつけた姿を、何度も見ているから。
僕もこの顔に、あの大きな背中に何度も庇われて、安心させられた。
sc「ですが…すみません、今から大切な書類の打ち合わせなんです。何せ決める事が沢山あるからパクさん本気で今日帰れないかも。
それにこれ以上俺と彼女の仕事滞らせるなら事務所に報告させて頂きます。大人なら時間は有効ですよね？
じゃ、そういうことで。失礼します」
堂々と物怖じしない背中はいつもより大きく見えた。
『…失礼します。今後のやり取りは事務所を通してお願いしますね』
「…それはそれは、引き止めて悪かったね。じゃあまた、次の打ち合わせで」
その人が僕の傍を過ぎ去っても、僕の足は動かなかった。
jn(かっこいいなあ、クプスヒョン。ヒーローみたい)
僕は。そのたった1人、Aさんが誘いを断ってまで向き合ってくれる恋人なのに。
僕は1歩も動けずに、他のメンバーが彼女を助ける恋物語みたいなシーンを黙って見てた。
本来なら助けに行くのは僕で。
jn「…これじゃあ何にも変わらないじゃん」
Aさんの彼氏でいる今とただ遠くから見ていたあの頃と。
ドラマや小説ならこんな時恋人がときめくような言葉で颯爽と助けに行くのに。
これがもし役者の僕なら助けにいけたのかな。
でも僕が望むのは、向き合うべきはそんな僕じゃない。
僕は未だ何者にもなり切れない。
あの男の人がAさんに手を伸ばした時、胸にチリリとした痛みが走って今までに無いくらい焦って感情が膨らむのが分かった。さっきのヒョンにも。
これをどこかで知っている。前にハオにばかり僕の好きなものを上げて会話していた時に感じたものと同じだ。
jn(ああ、そうか。僕は嫉妬してるんだ、ずっと)
何にも出来ない癖に。
僕はただただその場に立ち竦むしかなかった。
js「…ジュニ？どうしたの？こんな所に立って。誰かに用？
Aかな？」
jn「…ヒョン、」
js「ね、ここじゃない所で話そう？君のAの話だよ」
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なっつ(プロフ) - 素敵な作品に出会えて一気に読んでしまいました…！これからも楽しみにしています。 (10月2日 1時) (
レス) id: 1d12df4e5b (このIDを非表示/違反報告)
ムーンワーカー - 次の更新も待ってます！もう、めちゃくちゃ大好きです！ (2023年3月5日 20時) (レス) id: 8899fe7fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆび - 一生大好きです……更新ありがとうございます………ずっとずっと楽しみに待ってました……ありがとうございます………幸せになれ……！！ (2023年1月3日 1時) (レス) id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫 | 作成日時：2023年1月2日 1時
