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jn「月？」
『はい。今日、この地域ですっごく綺麗に満月が見えるんです。私もさっき帰り道で確認したら大きくはっきりしてて。これはジュンさんに教えないとって。
いい天気ですよ、夜ですけど』
深夜に彼女からお月見デートのお誘いを受けた。
jn「そう、なんですね？」
『はい。なので遠距離デートでお月見しようかと』
jn「遠距離でーと…？」
『遠距離というべきか遠隔デートというべきか…』
jn「遠隔でーと…？？」
初めて聞く単語が新鮮どころかパワーワードの域で面白い。
毎回思うけどAさんの距離の詰め方って僕への配慮以上に斬新なんだよなあ…。
それに毎回照れて使い物にならなくなる僕も僕だけど。
『…あ。今から遠出するとか考えました？』
jn「思いっきり考えました…！」
『あはは』
すみません、思いつきなので他意はないんですけど。とクスクスと静かに笑う声がする。
洋服がどうとか髪がどうとか慌てて弟に縋りつこうとしたダサい声を今すぐ忘れて欲しい…。
寝起きの悪い声を聞かれたAさんもこんな気持ちだったのかな…申し訳気持ちも出てきたけどあれはあれですごい可愛かった。
『すみません、何も考えないで電話しちゃったのでジュンさんの都合考えなくて。
お疲れでした？もう寝る準備とか、してました？』
jn「いや、それは大丈夫、だったんですけど…」
『良かった』
都合を考えてないなんて、思いつきだなんて嘘だと思った。
だって貴方は僕に接する時、いつだってすごく僕のことを考えて動くんだから。
このタイミングで、この状況で電話してきたことが偶然な訳がない。
きっとAさんのことだから僕のスケジュールをマネヒョンから聞いていたんだろうし、ここ最近の様子もヒョンや弟達から聞いていたんだと思う。
一緒に出かけるデートじゃなくて顔の見えない音声だけのデートを選んだのだって、Aさんの言葉でいう遠隔デートを選んだのだってきっと、そういうこと。
頑なに「デート」という言葉を使うことにも意味があるような気がした。
僕達の恋人という関係にしては曖昧で距離の開きすぎた、いつ飛んで無くなってもおかしくないこの縁をつなぎ止めてくれているみたいで。
彼女がこの関係を守ってくれている様に聞こえて、酷く安心した。
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なっつ(プロフ) - 素敵な作品に出会えて一気に読んでしまいました…！これからも楽しみにしています。 (10月2日 1時) (
レス) id: 1d12df4e5b (このIDを非表示/違反報告)
ムーンワーカー - 次の更新も待ってます！もう、めちゃくちゃ大好きです！ (2023年3月5日 20時) (レス) id: 8899fe7fbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆび - 一生大好きです……更新ありがとうございます………ずっとずっと楽しみに待ってました……ありがとうございます………幸せになれ……！！ (2023年1月3日 1時) (レス) id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫 | 作成日時：2023年1月2日 1時
