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大して面白くないテレビをつけて、その横に置かれた大きなツリーをぼーっと眺める。
まるでアメリカの家庭にありそうなくらい大きなツリーは、ユンギさんが私を引き取ったその年のクリスマスに買ってくれたものだ。
SG「ただいま。」
『あ、お帰りなさいユンギさん。』
SG「お、綺麗に飾れてるな。
テヒョンたちが手伝ってくれたか?」
『はい。』
つい今朝までウチにいたテヒョンたちが、ツリーの飾り付けを手伝ってくれたのだ。
流石に大きすぎて一人じゃできないしね(笑)。
SG「あいつらがやったにしてはセンス良いじゃん(笑)。」
色とりどりのオーナメントに、てっぺんで輝く大きな星。
すごく綺麗。
SG「あ、そうだこれ。」
手渡された大きな紙袋からは、甘い匂いがした。
SG「ジニヒョンたちが、カイロとコーンスープの
お礼にって。」
『わ、これ高いやつ……』
有名高級チョコレート店の、チョコレート詰め合わせだ。
え、え?←
私が作ったただのコーンスープって、そんな価値あったっけ?←
SG「お前のその気持ちが嬉しかったんだとよ。
……あと、旨かった。」
『ふふ(笑)。』
小さく呟かれた言葉が不器用すぎて、思わず笑ってしまった。
『せっかくですし、コーヒー淹れましょうか。
もらったチョコ食べましょうよ。』
SG「ん。」
耳が赤いユンギさんをリビングに残し、コーヒーカップを棚から出した。
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作者名:mayumayu | 作成日時:2020年8月28日 23時