GOAL (ページ32)

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SG side

ホテルの部屋に帰ったAは、さっそくノートとペンとギターを取り出した。

　『なんか急に、書きたくなったの。』

　SG「ん、そうか……」

ベッドに座って、一生懸命机に向かう彼女を見つめる。

でも、さっきから一向にペンが進んでいない。

　SG「どうした？行き詰まった？」

　『曲、書きたいのに……悲しい歌詞しか浮かばない…
　久しぶりに書いた曲が悲しい歌なんて、嫌なのに……』

胸が苦しくなる。

彼女にこんな思いをさせてしまったのは、間違いなく俺自身だから。

俯く小さな身体を後ろから抱きしめ、ゆらゆら左右に揺らす。

　SG「ゆっくりで良いんだ。
　簡単に癒える傷じゃないから。
　まだ一週間、時間がある。
　俺たちのペースで気持ちを整理していこう。」

そうすればきっと、君の望む曲が書けるようになるはずさ。

　SG「今日は休もう。退院したばっかなんだから。」

　『……うん。』

Aを抱き上げ、そのまま一緒にベッドに横になる。

　『はぁ……』

　SG「A、」

脱力したような彼女に、なんて言葉をかけていいのかわからない。

こういう時、どうすればいい？

どうすればAは笑ってくれる？

　『ユンギ、』

　SG「ん？」

　『……おやすみなさい。』

　SG「あ、ああ。おやすみ。」

ゆっくり目を閉じたAの瞼に、そっとキスを落とした。

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