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SG「ヒョンごめんなさい、しばらく休みがほしいです。
Aのそばにいたい。
はい、はい……ありがとうございます。」
マネージャーさんに電話しているユンギを、ぼーっと見つめる。
私が撮影中に倒れたことは日本ではすでに報道されており、その原因も……
おかげでサエからの連絡が絶えない。
『ユンギ、』
SG「俺、しばらくここにいるよ。」
本当にこれで良いの?
ユンギは超人気アイドルグループのラッパーだよ?
私なんかのために、時間を割いてて良いの?
『帰って……』
SG「は?」
『たくさんの人が、ユンギを待ってる……
BTSは7人いなきゃ。』
SG「A、」
無理矢理、ユンギの背中を押す。
SG「どうして……?」
『え?』
SG「どうしてそばにいさせてくれないんだよ……」
私に背を向けたまま俯くユンギ。
表情は……わからない。
SG「Aは俺の妻だろ?違うか?」
『……違わない…』
SG「その大事な妻が傷ついてるのにそばにいられ
ないなんて……
そんな悔しいことあるかよ。」
ユンギの背中が震えている。
握られた拳も、痛そうなくらい力が入っている。
急に振り向いたユンギは私の手を握って、祈るように額に当てた。
SG「お願いだA……
Aのそばにいさせてくれっ、」
ユンギの声が、なんでかな……すごく切ないよ。
『ユンギ、』
ユンギは、しばらくベッドに伏したまま動かなかった。
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作者名:mayumayu | 作成日時:2019年12月9日 1時