GOAL (ページ20)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:12,252 hit

19 ページ20

.

　SA「で？Aがここに来るってことは、
　デカイ仕事が決まったんでしょ？」

　『当たり。』

ハリウッドとか、何か大きな仕事が決まるとサエに会いに来るのは私の恒例行事。

なんとなく、サエに会うと落ち着くから。

　『ハリウッドの映画にキャスティングされた。』

　SA「また？すごいじゃない。親友として鼻が高いわ。」

なんて話をしていれば、じーっと見つめてくる二つの瞳。

　SA「あはは(笑)。こら隼人、ごあいさつは？」

　『隼人くん、久しぶりだね。覚えてる？』

今年３才になるサエの息子、隼人くん。

会ったのは１才の時以来だから、覚えていなくても無理はない。

　SA「ごめん、無口だし人見知りだから……」

　『ううん、いいの。』

ニッコリ微笑むと、隼人くんも少しだけ笑ってくれた。

可愛い←

　SA「それよりあんたの結婚よ、結婚！
　急に結婚して、挙げ句に国際結婚？
　詳しく教えてもらうわよ！」

　『あはは、わかったよ(笑)。』

しつこい追求(←)により、ユンギとのなれ初めを一から説明する羽目に……

　SA「へぇ、急に？」

　『うん、"結婚を前提にお付き合いしてください"って。』

あれは何年か前、私が韓国で行われたアジアソングフェスティバルに参加した時のことだった。

　『"あなたに一目惚れしました"って。』

　SA「えー、あっちの人って大胆……
　でもどうせAのことよ、断ったんでしょ？」

　『……よくおわかりで。』

当時私は韓国の音楽事情は何もわからない状態。

だからユンギは、完全に"知らない人"だった。

　『でもしつこくて(笑)。』

　SA「あ、なるほど(笑)。」

ユンギからの度重なるアタックの末、押しに弱い私は彼と付き合うことになったのだ。

　SA「韓国語は？勉強したの？」

　『うん、もともと韓国進出も決まってたし。』

手元のお茶を一口飲むと、もうすっかり温くなっていた。

.