16 ページ17
.
クソ、ユンギめ……
身体中が痛い……
途中でベッドに移動したから良かったものの、ソファでするって意外と痛いのね。
ユンギを起こさないように起き上がり、ぐーっと伸びをする。
『はぁ……』
視線を戻した時ふと目に入ったのは、私の相棒であるアコースティックギター。
そういえば最近ギターに触ってないな……
私の本業はシンガーソングライターだというのに。
適当に服を纏い、ギターを手に取りながらユンギを見る。
起こしちゃうかな？
それとも寝ててくれるかな？
『〜♪』
ベッドに腰かけて、久しぶりに弦を弾きながらデビュー曲を口ずさむ。
思い入れの強い曲だ。
私をこの世に出した曲であり、初めて作った曲。
SG「懐かしい歌だな。」
ふわりと胸元に腕が回り、寝起きの少し掠れた声が耳元で聞こえる。
『ごめん、起こしちゃったね。』
SG「いや、大丈夫。続けて。」
『……そう言われるとやりづらいんだけど(笑)。』
歌い続ければ、それに合わせてユラユラと揺すられる。
SG「Aの歌、もっと聴きたい……」
『……ユンギあのね、私考えてることがあるの。』
SG「ん、言ってみ？」
彩さんとも今、話し合っている最中のことなんだけど……
『来週から始まるハリウッドの映画撮影が終わり次第、
しばらく女優活動を休止しようかと思ってるの。』
演じることは好きだし、続けたいとも思う。
でもそれのせいで本業が疎かになるのは違う。
日本の事務所に届いたファンレターにも、私の歌手活動を望む声がたくさんあった。
それを見て、少し考えたことなんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mayumayu | 作成日時：2019年12月9日 1時
