草原に咲く花 (ページ3)

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がむしゃらに踊る。

デビュー曲から4Wallsまでを、何度も何度も。

でもいくら踊ってもスッキリしない。

この練習に、意味はあるのか……

力尽きて、床に大の字に寝転ぶ。

　『疲れた……』

ぽつりと呟いたはずなのに、私ひとりしかいない練習室には充分響く。

前はもっと賑やかだったはずだ。

ビクママがいて、アンバーオンニがいて、ソニョンがいて、ジンリもスジョンもいて。

みんなで話して、盛大に笑った。

楽しかった日々は、まるで昔のことのよう。

目を閉じれば、今でも６人だった私たちの美しい記憶が甦るのに。

私はその記憶に、ひとり取り残されたまま。

持ってきたタオルを顔にかけ、そのまま動かないでいると、パサリと身体に何かかけられた。

　『誰……？』

　SH(ｼﾞｭﾝﾐｮﾝ)「あ、起こしちゃった？」

　『ジュンミョニ、オッパ……』

タオルを退ければ、にっこり笑うジュンミョニオッパ。

私の身体にかけられたのは、彼のジャケットだったというわけだ。

練習生の時から彼は、何かと私に構いにくる。

特に用事も、言いたいこともないくせに。

　『事務所に何か用があったの？』

　SH「いや、別に。」

　『ならなんで？忙しいでしょ？』

ドラマも撮影していて、新しいミュージカルも決まったと聞いた。

きっと今のオッパに、休みなんてない。

事務所に来ている暇があったら寝ていた方が良いと思うけど。

　SH「忙しくて大変だからこそ来たんだよ。
　 Aー、癒してー……」

なんて言いながら私の隣に寝転ぶ。

　『私、そんな能力ないよ。
　イーシンオッパに頼んで。』

きっとやってくれるよ、「ちゆちゆー」って。

　SH「あいつ今中国だし。
　それに"ちゆちゆー"って確かに可愛いけど、
　あれはファンに対してやるから効力があるんだ。
　メンバーの僕にはちょっと(笑)。」

　『ふーん……そんなもんか…』

　SH「そんなもんだよ(笑)。」

ジュンミョニオッパの綺麗な横顔から視線を外し、そっと目を閉じた。

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