1-28 ページ29
.
その日から私は、実家から通うことになった。
『行って来まーす！』
RW(ﾘｮｳｸ)「あ、お嬢様待って！お弁当！」
『あ、忘れてた！』
ここ数日はあの男を見ることもなく、普通の日常生活を送っていた。
むしろ、高校生時代に戻ったみたいで楽しい。
RW「もう、ドジなんだから。」
『……リョウクってたまにブラックだよね←』
お弁当をリョウクから受け取って家を飛び出すと、誰かにぶつかってしまった。
『あっ、すみません……』
KA「ったく、ちゃんと前見ろよな。」
ぶつかったのはジョンインだったみたい。
良かった知り合いで←
『毎朝ごめんね。』
実家から通うようになってから、毎朝ジョンインがむかえに来てくれるようになった。
申し訳なくもあり、ちょっと嬉しくもある。
KA「……俺がしたくてしてることだから…」
『うん……ありがとう。』
本当は喜んじゃいけない。
わかってはいるんだ。
お金持ちの彼と、暴力団の組長の娘……
好きになっちゃダメ。
歓迎されるわけないから。
KA「ん？どうした？」
立ち止まった私を、不思議そうに見る。
そんな何気ない仕草でさえ、素敵に見えてしまうのは……
彼に特別な感情を抱いているから？
『ううん、なんでもない。』
KA「そっか……早くしないと遅刻するぞ。俺もお前も。」
身体を重ねて始まる恋？
いや違う……
きっと私は前から……
KA「ほら、早く。」
ごく自然に私の手を取り、先に進む。
少し速くなった鼓動……
それが彼に気づかれていないことを願った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mayumayu | 作成日時：2017年9月26日 11時
