静寂の狭間で ページ10
…ここは…？
何も見えない。何も聞こえない。
暖かさも、冷たさも。
今自分が何をしているのか。
何も感じない。
音もなく明るいのか暗いのかよくわからない。
それでもひとつだけわかった。
自分は戦闘不能状態にあるのだ。
戦闘不能になどなったことがない。
攻撃を受けて倒れた人は何度も見てきた。
でも周りの人が回復していた。
回復すれば生き返り、また戦闘に戻る。
…自分はそのループの外だったのか。
おそらく誰も生き残っていないだろう。
あんな攻撃の後なんだ。
大人しく残りの120秒を数えよう。
あぁ…もう回復しても
生き返る確率は半分なのか。
1…2…3…
60秒数えた。
もう回復の術式を詠唱しても意味はない。
感覚が薄れてきた。感じないのに。
自分の額に触れたような気がした。
わずかな指の感触。
温かみは感じられない。
突然何かが頬に触れた。驚きはなかった。
救われた、と思った。
『お前はまだ、死ぬ運命じゃない』
「じゃあ、いつ死ぬの…？」
かすれた声が何もない空間に響く。
『少なくとも僕に会うまでは死なないよ。
そう定められたのだから』
声の主は遠ざかっていく。
『僕はアヴィアス。また会える日まで』
刹那、聞きなれた声が響いた。
「届け、我が渾身の祈りよ！
≪蘇りの儀≫アオフ・エアシュテーウング！」
眩しいほどの光をまとった腕が
アリアに伸びてきた。
腕に掴まれた瞬間、息が苦しくなり、
「≪呼吸≫アートメン！」
と、強制的に呼吸ができるようにした。
「っぷはぁっ！」
まるで水から現れたかのように
戦闘不能状態だったアリアは
体を起こした。
そばには涙目のシュルーフと
安堵の表情を浮かべたシャギルがいた。
「よかった、間に合ったぁ…！」
青緑の長い杖を手に
自らの体を抱きしめた。
「お前が最後だぜアリア」
にやりといつものように笑うシャギル。
その表情を見て涙が零れた。
「っ！？お、おい！？」
「シャギルさん…？」
「いや俺何もしてねぇよ！？」
「あとの、二人は？」
涙を拭きながら尋ねる。
「今戦ってます。
私たちはアリアさんの回復に
集中しろって」
「加勢に…！」
立ち上がろうとして目の前が歪んだ。
慌ててシャギルに抱き留められる。
「お前は大人しくしとけ」
「でも…！」
「自分の仲間を信じられねぇのか？」
反論できず、押し黙った。
「あのうぜぇ幻獣をぶち負かしてぇんだ。
大人しく見とけよ」
黄金にきらめく光が集まって
伝説の剣を作り出した。
「俺らが勝つところをよ！」
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The - 面白いです (2015年12月26日 23時) (
レス) id: 6bb41c1304 (このIDを非表示/違反報告)
シャイン＆ダーク - ディアルチョロいな (2015年10月9日 23時) (レス) id: 5b2ad4fb97 (このIDを非表示/違反報告)
コバルト(プロフ) - ありかどうございますー！これからも個性的なキャラを出していきますのでよろしくです！ (2015年10月7日 8時) (レス) id: 0b47d786fb (このIDを非表示/違反報告)
ちーくん - この作品大好きです！ キャラ&が面白いー笑笑 これからもファンです応援してます！ (2015年9月27日 19時) (レス) id: db2d6b81b2 (このIDを非表示/違反報告)
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