妹神の名前 ページ25
「え、ちょ」
「双星の妹神よ、」
戸惑うアリアを置いてシャギルは目を瞑った。
「どうか姉君に会わせてくれ」
かしこまった口調で石像に語りかける。
頭でもおかしくなったのかと
アリアは怪訝な表情でシャギルを見つめた。
「…んだよ」
「いや別に」
白々しく顔を逸らす。
シャギルがじっと石像を見ていると
突然、石像の瞼が瞬いた。
「お姉ちゃんに会いたいのは、アナタ？」
「うおっ！喋った！？」
石像は頬を微妙に膨らませた。
周りを見ていたアリアが興味深そうに覗き込む。
「失礼ね。ワタシだって生きてるのよ？」
「かわいい…」
小さく漏らされたアリアの呟きに
シャギルがわざとらしくため息をついた。
「女子ってだいたいの物を
すぐ可愛いって言うよな」
「かわいいじゃない」
「俺にはわからねぇ感覚だな」
じろりとシャギルを睨むと
シャギルは拗ねたように目線を逸らした。
「ねぇあなたの名前は？」
「ワタシ？ワタシはリーラ」
意外そうに灰色の目を開けて
リーラはアリアを見た。
「ワタシに名前を聞いた人なんて久しぶりだわ」
「あら意外。
みんな友達にはなってくれないのね」
アリアの一言でリーラは悲しげに眉を下げた。
「そうなの。みんなワタシたちを使うだけ。
お姉ちゃんは置いてけぼりだし、
ワタシはいつもバッグかアイテム欄の中。
ワタシの友達は冒険家のユリスだけよ」
「ユリス？」
「そう。偉大な冒険家って自分で言ってたわ。
ワタシに名前を聞いてくれた人。
ワタシに運命の赤い糸が見えるように
してくれたの。
友達ができるようにって」
「へぇ、見えるのか」
「あらお兄さん、興味あるの？」
アリアがからかうとシャギルは
勢いよく顔を背けた。
「別に！そういう能力があるなら
試してみたいと思っただけだ！」
「あ、そう。
ところでユリスって人ってすごいのね。
あなたに都市文字を封じ込めるなんて」
「そう！ユリスってすごいのよ！」
「あのさ、リーラは動けないのか？」
「…ええ。表情は作れるのだけどね」
リーラは儚げに笑った。
「ねぇリーラ、
あたしがあなたを動けるようにしてあげたら
お姉様に会わせてくれるの？」
「え？ワタシは別に祈ってくれるだけで
連れて行ってあげるわよ？」
「あたしだって冒険者よ。
友達の願いを叶えてあげなくちゃね」
「願いって…。それにワタシが友達？」
「そうよ？それにあなた、願ったじゃない」
「なにを？」
不思議そうにとぼけるリーラに
アリアは微笑んだ。
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The - 面白いです (2015年12月26日 23時) (
レス) id: 6bb41c1304 (このIDを非表示/違反報告)
シャイン＆ダーク - ディアルチョロいな (2015年10月9日 23時) (レス) id: 5b2ad4fb97 (このIDを非表示/違反報告)
コバルト(プロフ) - ありかどうございますー！これからも個性的なキャラを出していきますのでよろしくです！ (2015年10月7日 8時) (レス) id: 0b47d786fb (このIDを非表示/違反報告)
ちーくん - この作品大好きです！ キャラ&が面白いー笑笑 これからもファンです応援してます！ (2015年9月27日 19時) (レス) id: db2d6b81b2 (このIDを非表示/違反報告)
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