大切な仲間を傷つけやがって ページ17
ザクザクと殆ど無心で切りつけながら
シャギルは心の片隅でふと思った。
(これって、ホントに効いてんのか？)
切っても切っても綿は出てくる。
辺り一面に雪が積もるように白い綿が積もり
足の踏み場が無くなってきていた。
「おい、アルデンク！」
「なんだい？おっと」
降ってきた拳を避け、返事をするアルデンク。
「コイツ、効いてねぇ気がするんだけど」
「ちょっ、と待って。今っ、分析中！」
いきなり攻撃の間隔が短くなってアワアワと逃げる。
「ぐっ…」
「ごめんライベルグ！大丈夫かい！？」
「心配ない…！集中しろ…っ！」
死角からの攻撃をライベルグが盾で受け止めた。
衝撃で声を上げたが問題は無いらしい。
「反応から察するに…風50%、闇35%、光15%だから…
シャギル！」
「お！出たか、あっ！？」
上から降ってきた斬撃を紙一重で避けた。
「っぶねぇ…」
「続けるけどいいよね！？」
「お、おう…」
「多分殆ど物理攻撃だと思う！
あとたまにかまいたちが来るから気を付けて！」
「もう来た、早く言えよ！うおっ！」
足元のシャギルを狙って足踏みを繰り出した。
音とは正反対の重みを持った攻撃を避けつつ
ついにシャギルは右の足首を切り裂いた。
「よっしゃあ！切ったぜ！」
「油断禁m「うわぁっ！生えてきた！」…やっぱり」
シャギルが切り裂いたはずの足首は
切られたそばから回復され
いつの間にか綺麗に直されていた。
「はあぁあ！？こんなのチートじゃねぇか！」
「なるほど…光15%は治癒系ってことか」
「冷静に分析してんじゃねぇよ！くそっ！」
やっきになって更に切り刻み始めた。
＊＊＊
「《恩恵》ナーデグンストヴォールタート。
神よ、かの者に大いなる恵みを…！」
回復系都市文字特有の仄かな緑色の光がティールを包む。
固く閉じられた瞼がぴくりと動き、やがて目を開けた。
「ティールさん！」
「っ…う…」
呆然とシュルーフを見上げてかすれ声で呟く。
「…ディエン、様…」
「…っ」
こんなに酷い目にあったのに、主人である
ディエンを、あの男をまだ慕っているのだ。
シュルーフは魔力回復の都市文字をかけて
ティールに言った。
「…あのディエンとかいう…人は
貴女を傷つけました」
「…！」
痛いところを突かれ、黙るティール。
「私はあの人が許せません」
「なぜ…」
「…私達の仲間を傷つけたから」
ハッとしてシュルーフを見る。
シュルーフは毅然と前を見据えていた。
「これから元主人のあの人がどうなっても
目を逸らさないで」
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The - 面白いです (2015年12月26日 23時) (
レス) id: 6bb41c1304 (このIDを非表示/違反報告)
シャイン＆ダーク - ディアルチョロいな (2015年10月9日 23時) (レス) id: 5b2ad4fb97 (このIDを非表示/違反報告)
コバルト(プロフ) - ありかどうございますー！これからも個性的なキャラを出していきますのでよろしくです！ (2015年10月7日 8時) (レス) id: 0b47d786fb (このIDを非表示/違反報告)
ちーくん - この作品大好きです！ キャラ&が面白いー笑笑 これからもファンです応援してます！ (2015年9月27日 19時) (レス) id: db2d6b81b2 (このIDを非表示/違反報告)
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