小麦粉が振ってきた【白布賢二郎】

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とりあえず、頭やら制服やらにかかった小麦粉は全部落とした。てか、落とされた。それも掃除機で。



え？雑すぎるだろ。



七瀬は何事も無かったかのように授業してるしさ？



俺なんなの。今日厄日かな。



はぁ。



手はまだ、卵をかき混ぜる作業をしていた。








「ぎゃっ」








女子の叫び声。

あ、デジャブ。








砂糖が降ってきた。







…次は砂糖かよ。あり寄ってくるじゃねーか。




「あ、ご、ごめん。あはは…」








あー。もう、俺さ、今までなんとも思ってなかったけどね…








うん。お前嫌いだわ。いや、まじで。








「七瀬ぇええええええ！！！！」


「うぎゃあぁぁああああ！！！！」






またかよ、と七瀬の耳を引っ張る。


変な声を上げてるが、手加減はしてるし大丈夫だろ。多分。
それより、また笑いをこらえる七瀬に、卵を頭の上からこぼしてやりたい。


めちゃくちゃやりたい。


…絶対やんないけど。






…学校で普通に過ごしてて、1日に2度も真っ白になることなんてあるのかよ。




いや、ねぇわ。
そんなん芸人レベルに決まってる。








調理室に、七瀬の笑いをこらえた謝罪の言葉が響いた。


次やったら許さないかんな？


そう言ったあと、先生に連行される。
もちろん。掃除機で砂糖を吸うためだ。






…俺の扱い雑くない？









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