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侑side




「お前、さっきからうんしか言うとらんけど、
 ちゃんと話聞いとるんか?」


『うん』


さっきから、うん、としか返事をしないAを見れば、目に涙を溜めていた


「A?」



思わず、抱きしめてしまいそうになるけど、
それはいけないと、頭の中で考える


え、どうすればええねん

なにが起きたん





なんでAは泣いてんねん



静かに泣いているAを前に
声をかけることも、
涙を拭うことも、
Aに触れることもできず、

ただAを見つめることしかできなかった



なんでこんなに、もどかしいんや

俺のせいで泣いとるんやろか


それとも、









角名のせい、、、?








そんなわけ、




ないやろ






「A?」



後ろから、角名の声が響く



「角名、なんでおん…」



俺の言葉を遮った角名はこう言った




「侑、なんでA泣かせてるの?」




「どうしたの?A?大丈夫?」



涙を拭うのも
Aを抱きしめるのも角名やった

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作者名:まるこ | 作成日時:2021年3月5日 1時

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