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『母さん』
「あら。今月は早いのね」
『うん、行きたいところない？』
「どうしたの突然」
いつもの如く俺の話は家事の片手間で
あまり本気にはしてなさそう
『どっか行きたいとこねぇのって』
「ないわよ別に」
『温泉とかあるだろ』
「本当にどうしちゃったわけ……？」
大困惑といった表情で見つめられる。
熱でもあるのかとおでこに手を当てられたが
丁寧に振り払っておいた
『本気で。連れてってあげるから言ってみ』
「じゃあ……家族皆で温泉に行きたいかな」
『何泊』
「あら、泊まりでいいの？だったら2泊したいわね。秋の紅葉見ながら、なんて」
――
「翔太に連れてきて貰えると思わなかった、大人になったね」
「お母さんも本気だとは思わないわよ」
『次姉貴の番だぞ』
「ママ早く〜」
親孝行くらいできると
母さんの要望通り2泊3日で来たわけだけど、
それなりの温泉宿で5人分となると
結構なお値段で財布と口座がえぐい悲鳴を上げてる。
母さんに温泉と言われてから10月になるまでの期間、
全員の予定聞いて、宿探して予約して、新幹線予約して…
「翔太くん…ご飯代俺出すから」
『いやいいっすよ本当に』
「彩春が翔太くんしか言わないからこれ以上男らしくされたら困るの！！」
『えっ、あ、了解です』
「次翔太くん」
『ん、お父さんじゃなくていいの』
「翔太くんがいい」
彩春、俺としては嬉しいけど、そろそろお前のパパ泣くぞ
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chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
