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「どうしたの」
『風邪治った？』
「もうとっくの前に治ったよ、ママに移ったけど」
『姉貴が今度ダウンしてんのか……』
「薬飲んで仕事行ったけどね」
『タフだな』
彩春が学校から帰ってきたのを電話で確認してから
手土産片手に姉貴夫婦宅へ。
姉貴が風邪を引くと家事が疎かになる代わりに、
義兄さんが家事をいつもよりやるおかげで
物凄く綺麗に片付く。今もその状況でお邪魔した。
「うーん……翔太くん紅茶飲める？」
『いけるよ』
少し背伸び気味に戸棚を眺める背中に返事を返すと、
せっせと準備を始めた
「どうぞ」
『お、ありがと』
『うま、これどこの？』
「…自分でブレンドしてみた。……美味しい？」
『めっちゃ美味いよ、彩春才能あんじゃね？』
手土産渡すだけなら玄関先でよかったんだけど、
わざわざ上がったのはこの彩春がブレンドした
紅茶を飲むため。
母さんから連絡来て
手ぶらで行ったら色々怪しまれそうだと思って
今日準備してから来た。
……にしても、初めてブレンドしたにしては
めっちゃ美味しい
褒めて貰えてご満悦なのか口角が緩む姿に
まだまだ子供を感じる。
手持ち無沙汰になってランドセルの荷物を整理し始めて
チャンスとばかりに手土産を渡した。
『彩春これ、結構遅いけど』
「ん……？」
『開けていいよ』
慎重に開ける姿を紅茶啜りながら眺めていると、
中身が見えたのか途端に目を光らせる姪っ子。
「これ…もらっていいの」
『おう、バレンタインのお返し。どうよ叔父さんのセンス』
「お揃い………ありがとう」
多分姉貴達帰ってきたら嬉しさ爆発させるんだろうな〜
なんて思いながら、
控えめなありがとうをめちゃめちゃに噛み締めながら
紅茶を飲み干した。
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chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
