- ページ34
-
気になる事もあったから昼で早退して
記憶を頼りに目的地に向かう。
『確かここで…こう行って……こっちか』
薄い記憶の中にある元自宅の場所から
元叔父の家の方に向かって歩く
6、7年たった風景はまるで違くて
目印にできるような物も何も無かったけど、
『……ここだ、タイムスリップしてきた場所』
最初にタイムスリップしてきたはずの地点を見つけて
そこから辿って元叔父の家に向かう。
目的は
『ふっかの部屋……』
既に無くなっている元叔父が住んでいたアパートの隣、
その一階の角部屋。
なんで朝何も言わずに出てきてしまったんだろうと
少しだけ後悔していた。
あんな気軽に話せる"友人"、今じゃ誰もいないから。
俺の虚妄かもしれないのに
会えたところで何を伝えるかなど
二の次で部屋の扉の前に立つ。
『ん………あ、空き部屋、か』
既にそこに住む人物は居なくなっていて、
張り紙だけがしてあった。
年齢逆算したらふっかは俺のひとつ上のはず。
だとしたらこの地を離れてる可能性の方が高くて
会えっこないと気が付いて踵を返す。
公園の方まで出てくるとそよ風と共に
夏の香りに鼻を撫でられ、
変わってしまった風景に胸が締め付けられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
