- ページ29
-
神社を後にしたその足で、
一番最初に自分を見かけた公園に行った。
茂みの近くで待機して俺を待つため。
どうしたらいいか、なにか新たな案とか作が
思いつくかと思って着の身着のまま歩いてきた。
こういう時大概上手く行かないものだけど、
19歳手前の俺はだいぶ優秀ですぐ来てくれた。
'単位落としたら図書館に閉じ込めるよ'
'んだから落とさねぇっつうの、
お前がよすぎるから俺が悪く見えんだよ'
'それは事実だよ翔太くん'
'うっっざ、このイケメンが！！！！！'
'悪口になってないよ'
1年なのに大学に入ったことに満足して
一瞬勉強を一休みしたらテスト爆散した時か…………
ろくでもないこと思い出した挙句に
むしろ作が減った気がする。
もはや来ない方が良かったかもしれないと思いながら、
最後の晩餐ならぬ、
最後の駄菓子になりかねないそれを頬張りながら
帰路に着いた。
「あぁ、あの人ガチで視えるって密かに有名」
『おばけ？』
「おばけってか、うーん…なんかみえるって」
『それが知りてぇんだけど』
そろそろ飽きかけてきた野菜炒めを食いながら
神主の話をすると既に知っていた。
「猫と喋ってたとか、人の病当てたとか、呪縛霊追い払ったとか」
『オカルトかよ』
「いやまじまじ、猫と話してんのは俺見たもん」
肉しか食わねぇこいつの代わりに野菜ばっかり食べてる。
人参まだ少し硬かったな
「真っ白の猫に合図ち打って、早く決めてって伝えておいてって。そしたらにゃーって鳴いてどっかいったもん」
『真っ白の猫………今日行った時その猫賢いんだって言ってた』
「んじゃそれだわ、結構見てる人多いよ。翔太も帰りたいですって言ってみれば」
『お前肉食いすぎ』
住んでる地区がほんの少し離れてるだけで
回ってくる噂とやらはこんなに差が出るのか。
1ミリも知らなかったし、聞いたことすらなかった
『もう1回行ってみるか…』
「ヘンなの連れて帰ってこないでよ〜」
『心霊スポットじゃねえよ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chirua(プロフ) - ！さん» ご感想頂きありがとうございます、とても嬉しく光栄です。今後ともどうぞよろしくお願いします (11月3日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
！(プロフ) - 久しぶりにこのサイトでとても引きこまれる作品を読みました。彼が少しでも幸せだなと思える日が来ることを願っています。次回も楽しみにしております。 (11月2日 23時) (レス) id: 50e233f32f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chirua | 作成日時：2023年10月10日 17時
